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[調査]The Automotive Path to Purchase Study (TAPPS)の紹介ビデオ。

TNSが『The Automotive Path to Purchase Study (TAPPS)』の紹介ビデオ(3分程度)を作りましたので、ご紹介します。


紹介ビデオ(英語)へのリンク
http://www.tnsglobal.com/accordion/tapps-automotive-path-purchase-study


先日、お知らせでご紹介させていただいたこの記事も、TAPPSの結果を元に書かれています。


2012.03.23 [調査]自動車ブランドは、中国の消費者を取り込むためには新しいルールに従わなければなりません。


中国の自動車市場に関する知見をお楽しみください。


TNS


[記事]ネットに勤しむ医師 - 東洋vs欧米。

Simon Li, Kantar Health


「Social health」が欧米で高まっています。すなわち、医師はオンラインで時間を費やし、(Skypeやウェブカメラを通した)医師のバーチャルな訪問が増え、医師・患者ともに医療記録にオンラインでアクセスし、緊急救命室の待ち時間がスマートフォンやTwitterで通知されます。欧米の医師は医師に特定したオンラインコミュニティにますます参加するようになっており、EU・アメリカの医師の3分の2以上が積極的にオンラインに関与しています。我々は、そのようなサイトがまだ満たされていないニーズや治療動向を確立するのに使われたり、ニッチ・専門家のコミュニティに質問を投稿したり、パネルを作るべく使われたりする例を複数見てきました。しかし、「オンライン革命」はアジア市場にどのような影響を与えているのでしょうか?また、さまざまな主要地域でのマーケティング・キャンペーンをどのように修正すべきなのでしょうか?


私は、Kantar Healthの中国オフィスで働いています。我々は、中国最大の医師のネットワークであるDXY.comとのパートナーシップ関係から、170万人以上の医師メンバーがソーシャルコミュニティでの議論(この後詳しく説明します)に参加していることを知っています。調査から、かなりの数の人々が、Good DoctorGood Physicianのサイトを訪問していることを知っています。また、日本のm3.comが17万5千人以上の医師メンバー、韓国のMedigateが7万5千人以上の医師メンバーを保有し、インドのDoctor's Hangoutには1万5千人の医師が積極的に参加しています。そのようなサイトで見られるコミュニケーションの傾向は、文化の違いのバリエーションを持つ欧米と似ています。例えば、ほとんどのアジアの地域では、挑発的な議論は避けられる傾向があります。なぜなら、欧米の医師なら知的な魅力ある議論とみなすような会話を気軽に行ったとしても、不適切とみなされるからです。また、我々は、グループとして78%のアジアの医師がソーシャルメディアに(主に仕事以外で)参加していることを知っていますが、現在に至るまで、このことについて分析してきませんでしたし、これらの医師が新しく、革新的な方法(ソーシャルメディアなど)にどのように関わっているのか考えてきませんでした。


あらゆる形のコミュニケーションに対する利害関係者の態度を理解することがマーケティング成功の鍵であるという前提で、我々は、アジアで医師がどのように情報を消費し、デジタルでコミュニケーションを行うかについて理解しようと(調査に)着手しました。まず急速に成長する市場、中国に関して。我々は、DYX.comと提携し、300都市7,000人の医師のオンライン上での習慣について、グループ会社であるTNSの実績ある消費者オンラインセグメンテーションモデルを用いて究明しました。この画期的な調査では、中国の医師は欧米の医師と同様にインターネットに精通しており、その98%がインターネットにアクセスし、一週間で平均11時間オンライン上で時間を費やし、その大部分の時間は医療活動に費やされていることがわかりました。


その調査が示すのは、中国の医師は一般消費者が通常アクセスするよりもインターネットにアクセスしていることです。また、小さいTier 3の都市の医師は、大きな都市の医師よりもよりアクティブにオンラインを使います。(大きな)Tier 1の都市の医師がわずか週3.7時間であるのに比べ、彼らは週当たり平均6.5時間費やしています。この発見は、最初は意外に思えるかもしれません。しかし、Tier 3の都市では、治療を待つ患者が長い列を作るわけではなく、医師が他の地域の同僚と連絡を取り合うのにインターネットが不可欠であると考えれば、この統計ははるかに理にかなっています。これは、欧米の製薬会社にとって興味深い問いを提起します。彼らは、以前は自分たちのターゲットではなかった地域に住む医師に影響を与えるオンラインマーケティング・セールスモデルに目を向けるべきでしょうか?さらに、変化するテクノロジー環境を利用し、インターネットベースのコミュニケーション・コマーシャルモデルを使う広大な市場に消費者を参加させる機会は何でしょうか?


我々の調査はまた、彼らが訪問する鍵であるオンラインを使う目的を確認しました。日々の活動では、医療ニュース(64%)、医療コンテンツの検索(42%)、教育、フォーラムでの議論やTwitter(3分の1が中国のソーシャルネットワークを使う。TwitterもFacebookも中国ではブロックされているが、国内のソーシャルメディアは生きています)で医療知識を共有しています。オンラインでの活動の頻度とばらつきから、中国の医師はインターネットから遅れているというステレオタイプのイメージや、メディカルスクールを出た若い医師(それゆえ処方者としては重要でない人々)だけがオンラインのアクティブユーザーであるという固定概念は否定できます。
※図表1はOriginal articleでご確認ください。


我々はまた同様の調査をアメリカやEU、他のアジア地域でも実施しました。結果を用いて、次のポイントに従って医師を評価しました。すなわち、使用頻度や一般的なオンラインでの活動、オンライン利用に関する記述への医師の合意、個人的な重要性の観点からみたオンライン活動の評価、年齢・性別、このような使い方の消費者タイプとの比較などです。アメリカ・EUでは、一般的に6つのセグメントに均等に分散しています。しかし、PCPと専門家は、「Functional(機能的)」と「Knowledge-Seeker(知識を追い求める)」のカテゴリーに多く寄っており、「Aspirational(向上心のある)」セグメントは少なくなっています。これが中国の調査になると、欧米と比較して、医師はオンラインコミュニケーションにもっと簡単に慣れ親しみ、より深く入り込んでいます。彼らは、単に「Functional(機能的)」であるよりも「Communicators(コミュニケーションをとる)」もしくは「Knowledge-Seeker(知識を追い求める)」に分類されます。
※図表2はOriginal articleでご確認ください。


世界中の医師と効果的にコミュニケーションを行うには、チャネルとしてオンラインを使わなければならず、オンラインスペースで効果的にセグメンテーションすることが中期・長期的な成功の鍵となることは明らかです。今後は、医師のグループは、ますますアメリカやヨーロッパの一般消費者と似てくるでしょう。「Knowledge-Seeker(知識を追い求める)」の割合が大きいことは除きますが。


世界のどこでも教訓はシンプルです。細かいセグメンテーションは、どの利害関係者がどのような情報を必要とするかを明らかにし、それと同様に時間や必要とする情報源を明らかにします。


詳細については、Simon Liにご連絡ください。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2011.12.26[調査]中国人医師の98%がインターネットを使用しています。


[調査]自動車ブランドは、中国の消費者を取り込むためには新しいルールに従わなければなりません。

TNS


世界の自動車市場の成長率がわずか3.5%という期待はずれの年であることを受けて[1]、TNSは最新の調査から得られた知見を発表しました。これは、国際的な自動車ブランドが、急速に成長する東アジア市場(ここでは中国のこと)において強力な足掛かりを得る助けとなりうるものといえます。


『The Automotive Path to Purchase Study (以下TAPPSと略)』は、消費者の意思決定を左右するあらゆる影響(要因)を追跡し、自動車の購買プロセスを世界で初めて即時に分析するものです。


中国の結果からわかることは、ブランディングが弱く、購買プロセスを完全に理解していないと、世界最大の自動車市場におけるプレゼンスを作ろうと多くの企業がいくら努力しても、それは良い結果をもたらさないということです。


TNSのグローバル開発ディレクターであるAndy Turtonは言います。「中国は、自動車メーカーに非常に大きな成長機会を提示してくれます。しかし、この広大な異質の市場には、自動車の購入者の購入までの道筋に様々な異なる影響(要因)が存在します。初めてこれらの記録をリアルタイムで取り、自動車ブランドが、- 購入までの旅路のあらゆる段階において適切な方法で消費者をターゲッティングしているか確認しつつ -、中国市場によりよい形で参入する新たなレベルの精度(の情報)を提供します」。


470のモデルが競り合う中国では、宣伝活動はどこでも見られます。しかし、TAPPSが示すのは、次のようなことです。すなわち、もし、メーカーが、中国の消費者が新車を買う方法や、これがより成熟した市場とどう異なるのかを理解するのに時間を取らないならば、このような努力は損なわれるかもしれません。


6ヶ月間にわたって184都市1,200人以上の自動車の購入者と継続的かつ双方向の会話を実施し、得られたTAPPSの知見は、中国におけるプレゼンスを高めたい自動車メーカーに5つの新しいルールを提示します。


1.ディーラーがあなたの新しい親友。
自動車の営業マンに対する西洋の認識、すなわち消費者の費用負担で迅速に利益を上げようとする、を忘れてください。中国では、自動車ディーラーが購買プロセスを通じて最も信頼できるアドバイスの情報源と見なされます。この理由の一つに、中古車市場が最近になってようやくできてきたことがあります。欧米では、信頼がたびたびディーラーと消費者の利害の衝突により損なわれます。顧客にとって公正な取引を保証するために、中国のディーラーネットワークと結びつくことによって、このような信頼を守るメーカーは、配当を享受できるでしょう。


2. 「我々」が、「私」よりも重要。
80%の人々が(商品の)初めての購入者となるような国では、人々は、自動車を選ぶとなると、ソーシャルメディアと同様に友人や家族のアドバイスに大きく依存します。メーカーは、消費者やファンをブランド大使になってもらうよう駆り立てる方法、例えばソーシャルメディアやカスタマーサポートを通して新しいドライバーに実用的なアドバイスを提供すること、を理解する必要があります。現在の車の保有者やファンに欠かせなくなっているのは、ブランドの認知を強化し、強力なサードパーティの支持を生み出すような鍵です。


3.一旦消費者が探し始めてしまえば、それは遅すぎる。
中国における自動車に対するブランドロイヤリティは低く、最初に自分たちがほしいと思ったものについて固執して考える人は少数派です。実際、四ヶ月経っても、そのような買い物(をする人々)の三分の一は、購入しようと探しているモデルや車のタイプを全くわかっていません。しかし、中国における購入にかかる期間の平均は、以前考えられていたよりもはるかに短くなっています。すなわち、消費者の40%が一ヶ月以内に製造元とモデルを決定します。メーカーは、魅力的なブランドストーリーで消費者をひきつける前に彼らは探し始めてしまうのですから、待つ余裕はありません。


4.適切な取引を提供する。
良い取引ができることは、中国の購入者にとって非常に重要です。自動車を購入する際、ヨーロッパでは約40%の人々が割引を受けますが、中国ではそれが80%にもなります。しかし、メーカーは、助成や割引がブランドの品位を損なわないようにしなければなりません。あまりに低価格化してしまえば、消費者は悪い方に解釈しますし、受け入れようとしているブランドよりも価格を気にする人々の市場、すなわちコモディティ市場を作りかねません。


5.デジタルを無視するのであれば、危険を覚悟の上で。
中国の消費者の95%は購買プロセスの中でオンラインソースを使用し、約4分の1はヘビーユーザーとして分類されます。 1-2週間以内に購入する人々は、よりデジタルに親しみ、また、プレミアムブランドを購入しやすい(人々)です。もしメーカーがオンライン上のプレゼンスを高めるために投資していなければ、彼らは市場の有利なセグメントを見逃す恐れがあります。


Turtonは、次のように結論付けています。「この調査でわかったことは、意思決定のスピード、割引を左右するルール、ソーシャルメディアの大きな影響が、ヨーロッパのどの国とも違い、中国での市場力学を作っているということです。中国で最大限に成長する鍵は、購買プロセスの適切な段階で、適切な方法でこれらを活用する方法を深く理解することです」。


[1] Scotiabank International Care Sales Outlook report February 2012


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.03.16 [記事]色あせた黄金卿(中国)は新たに磨かれる必要があります。


[記事]オレオは象徴的なブランドですか?

Nigel Hollis, Millward Brown


私は、新しい『Point of View(Millward Brownが定期的に出しているオピニオン記事)』で象徴的なブランド(ここで以前のものを見つけることができます)について書いている途中です。問題は、我々が象徴的なブランドの良い、データに基づいた定義を持たないことです。前回、私は、 " you know it when you see it(あなたがそれを見たときあなたはそれを知っている)"という定義でよしとし、その時点ではそのままにしておきました。


追記)『Point of View』最新号が出ました。(英語サイト)
http://www.millwardbrown.com/Libraries/MB_POV_Downloads/Millward_Brown_POV_Iconic_Brands.sflb.ashx


" you know it when you see it(あなたがそれを見たときにそれを知っている)"の定義の問題は、自分が色々と考えてしまうことです。Kodakは、倒産してもなお象徴的なブランドでしょうか?Googleは、そのアイデンティティが実際はロゴにすぎないのに象徴的といえるでしょうか?(そしてそのロゴはしばしばDoodleのようなものに変わります。)また、McDonald'sは、過去の絶頂からすると、ある種の廃れかけている象徴でしょうか?こうした議論をたたかわせているのは面白いのですが、あるブランドを"yes, that one is iconic.(はい、そのブランドは象徴的なものです。)"といえるいくつかのより明確な測定基準を持つほうがよいのでしょう。


このような課題を心の中で抱いていたときに、偶然NY Timesのこの記事を読みました。その記事は、今年Kraft FoodsのOreoブランドが100周年を祝うというものでした。思うに、これが象徴的といえる(に違いない)ブランドです。Iconの辞書的な定義は、文化やムーブメントの代表的なシンボルとみなされる人物や物、偉大な賞賛や尊敬を受けている誰か、何かです。そうすると、Oreoを象徴的といえる重要な要素は何でしょうか?


最初に、そのブランドは、直ちに認識できることです。非常に認識しやすいので、他のものと間違えられることはありませんし、ある基準点(となるもの)として使われもします。かつてメイン州をドライブしているときに"Oreo cows"を探すよう指示されたことがあります。案の定、Belted Gallowaysが良いナビゲーションとなってくれました。


しかし、単なるビジュアルよりもOreoの象徴性意味をはるかに超えるものがあります。そのブランドと結び付けられる一連の感覚的な儀式、すなわちビスケットの片側をはずす、(クリームを)なめる、牛乳の中に浸す、のようなものがあります。これらのことから、多くの人々が、自分の経験に基づいたブランドへの強い積極的な好意を持ちます。また、その儀式(行動)は共有されています。イギリスのこの広告は、Oreoの経験から作られた感情的な関係性を見事に目立たせています。


したがって、私が考える象徴的なブランドにとっての二つ目の指標は、ブランドの意味が幅広いファンに共有され、大衆文化に埋め込まれていることです。


過ぎ去りし日々の象徴的なブランドとは異なり、Oreoブランドは依然として重要なものです。それは、生き生きしており、依然として際立った、身近な存在であることを確認させてくれます。Kraft Foodsのグローバルビスケット担当Senior directorであるJohn Ghingoは、NY Timesの記事で述べています。


我々が本当にやろうと考えていることは、ブランドにとって信憑性があり、そのルーツに当てはまり、今日でも新鮮なことです。我々は、Oreoがこの100年どのようなものだったかを認識し、今日の世界で何を意味するのかを認識したいと思います。


象徴的なブランドが意味を持ち続けるには、何らかの形でその起源に忠実であり続けることです。しかし、現在の関係性を犠牲にしてはできません。二つのバランスを取る必要があります。


だから、あなたはどう思いますか?即座に認識され、共通理解を得られる要素は、象徴的なブランドの構成要素でしょうか?もっと何かがありますか?Oreoは本当に象徴的ですか?あなたなら、他のどのブランドを挙げますか?


あなたの考えを共有してください


※直接Nigel Hollisにコンタクトされる方はこちらまでお願いします。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.03.02 [記事]北米企業は、理想を追う競争の中で取り残されてしまうのでしょうか?


[記事]ポスト90年代の人々は中国における環境保護の救世主になりうるでしょうか?

Jerry Clode, Associate Director Cultural Insight, Added Value UK


中国で人々を区別する一般的な方法は、生まれた世代です。 "ポスト80年代"と "ポスト90年代"は、政治的に混乱した文化大革命(1976年の毛沢東の死で終わった)後に成長した中国人の異なる価値観を定義するデフォルトの呼び名となっています。


これらの呼び方は非常に広く使われているので、ブランドは、意識的に彼らを特定のターゲット年代グループとして展開し始めています。現地のスポーツアパレルブランドの勇、Li Ningは、2010年に"no-one understands the post 90s(誰もポスト90年代を理解していない)"という挑発的なキャンペーンを行いました。ポスト80年代、ポスト90年代の人々の関係は、比較的対立しています。ポスト90年代の人々は、ポスト80年代の人々が新しい中国とかけ離れている、と主張します。一方で、ポスト80年代の人々は、ポスト90年代の人々を西洋に魂を売ったわがままな子供とはねつけます。


ポスト90年代(今10代又は20代前半)の人々は、横柄な兄、姉世代が存在する結果として、また自分たちが中国の善良な市民であることを示そうとして、ますます社会的な問題、特に環境問題に取り組むようになっています。彼らは、グローバルメディアを控え、環境意識に目覚め、国外で起こっていることに対する運動を起こします。また、前の時代の人よりもグローバル市民として見られるため、環境によくない行為に今積極的に反対しています。


ポスト90年代の人々が環境に懸念を示す例として、南西の主要産業都市である成都で起こった、女子大生による抗議行動が挙げられます。嘉陵発電所からの放出物の量に抗議するため、彼女たちは、環境問題のメディアでの注目度を高めるべくビキニとガスマスクを着用しました。その行動は、美しい女性の都市として成都の評判を高め、全国的に広まりました。この挑発的で、メディアをうまく使った抗議行動は、昨年の工場の閉鎖に重要な役割を果たしました。


香港と国境を接する非常に発達した都市、広州では、小さな高校生Deng Xiyuanが、中国南部で特に強い伝統となっているふかひれスープを食べることを止めるキャンペーンの推進者です。彼女は定期的に高校の外で抗議し、Weibo(中国版Twitter)のアカウントを立ち上げ、中国全土のフォローワーを集めてきました。それにつれて、彼女の努力は、主要なメディアの注目を集めています。大手全国紙Southern Weeklyの特別版では、彼女を「環境の戦士」として取り上げ、ポスト90年代の人々が環境に対して気配りする時代の到来を告げました。


興味深いことに、ブランドは、グローバルの環境基準で自らを定義することによって、ポスト90年代の人々の願いを理解しようとしています。オンラインキャンペーンの一環として、Converseは、旅の一部として自然を探索するモンゴルのスケートボードチームの旅を記録しました。Gapは、中国での最初のキャンペーンの一環として、緑化推進の熱心なサポーターでもある人気女優Zhou Xunに着目しました。そのキャンペーンは、Zhou Xunと国際的な環境問題の専門家Phillipe Costeau Juniorを - 中国と西洋の調和した例として - 一緒に撮影しています。
http://www.youtube.com/watch?v=xwerYYBkrDY


ポスト90年代の人々にある明らかな環境意識は、中国の環境の未来にとって本当に心強い兆候といえます。彼らがわがままだと他の世代に軽蔑されているということも、彼らが状況を良くしようと固く決意しているということにすぎないのです。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.0215 [記事]燃えよドラゴン - 中国の悪いイメージをなくして成長するブランド -


[調査]中国の低所得層(『GEMS - 新興市場からのインサイト -2012年2月版』より)

Ashok Sethi
Head of Consumer Insights, TNS


中国におけるBOP/BoP in China - 世界で2番目に大きい高級品市場 -


中国における市場の基礎


BOP(Base of the Pyramid又はBottom of the Pyramid 低所得層)は、たびたび中国に関連付けられる言葉ではありません。中国は、中流階級の急増と高級品市場を通じて世界の注目を集めるようになりました。それゆえ、世界の底辺というよりむしろ頂点として認識されるようになっています!しかし、中国のBOPは、世界のBOP同様に魅力的な市場となりえます。また、慈善的な視点からだけでなく、ビジネスターゲットとしても見られる必要のあるセグメントです。


BOPの定義


「Bottom or base of the Pyramid」という言葉は、多くの異なる意味で使用され、様々な定義と解釈がなされてきました。我々は、エコノミストたちがしばしば極貧層 - 生計を立てる能力(基本的な生存手段)を持たない人々 - として言及するグループと混同しないように注意する必要があります。我々のいうターゲットグループは、ピラミッドの「下位中流」層 - 生活必需品+αを購入するお金を持っている人々 - です。世界資源研究所*は、BOPを年収3,000USドル未満(2002年の購買力平価ベース。つまり一日8USドルの収入)の人々と定義しています。このグループのうち、約10億人が極貧であり、一日1ドルの稼ぎもなく、しばしば生活に窮しています。しかし、この層より上の16億の人々は一日1-2ドルを稼ぎ、多くを生活必需品に費やします。11億の人々は一日2-8ドル稼ぎ、かなりの可処分所得があります。


中国は貧困をなくすことで大きな進歩を遂げてきました。したがって、BOPグループの最下層のサイズは大幅に縮小しています。しかし、BOPの中位・上位セグメントは、かなり大きくなっています。- これは、 世界資源研究所が2009年に調べた5億人近いBOP中位セグメントと約3億人のBOP上位セグメントに属する中国人の情報をボストン・コンサルティング・グループと世界経済フォーラムが分析したものに基づいています。(注:他の調査では、これらのグループは中間所得層の下位に分類されています。)


中国におけるBOPは誰ですか?


中国のBOPは、どの特定のグループ(例えばインドのような他の新興市場における農業従事者)にも支配されない異質な集団です。中国には、BOPの中位または上位に位置づけられる幾つかの消費者セグメントがあります。これらは次のとおりです。


・小区画の土地で働く農村部の農民(国家統計局によると、2010年の農村部の中国人一人当たり可処分所得は年5,919人民元でした。これは、現在の為替レートベースで1,000USドル未満です。)
・2億人超の農村からの出稼ぎ労働者。彼らは都市の工場や建設現場で働き、都市の住民に低スキルのサービスを提供します。彼らの賃金は、月1,000-3,000人民元で、BOPの上位セグメントに位置づけられます。
・都市で働く未熟練労働者、工場労働者、小規模貿易商。彼らの賃金は、出稼ぎ労働者と同様のレベルです。
・拡大する60歳以上の退職者人口。彼らはささやかな年金で生計を立てています。(中国は急速に高齢化しています。2010年の国勢調査によると、上海の人口の22%が60歳以上です。)
それゆえ、中国のBOPをターゲットにするには、商品やブランドの消費や選択に影響する多くのパラメーターが違うので、異なるセグメントには異なる戦略が必要になります。


中国におけるBOP消費者のニーズ


中国のBOPには、幾つかの典型的な目立つ特徴があります。まず、極めて識字率が高く、インフラがよく整っているので、中国のBOPは、比較的よく繋がっており、お互いの存在を意識して生活しています。第二に、農村部の家庭100件に112台のテレビがあります。これは、不利な立場にある消費者ですら比較的よく情報を得られていることを意味しています。第三に、世界の大部分でBOP消費者は、政治的・社会的対立の真っただ中にいます。それが彼らの窮状を悪化させ、商品やサービスへアクセスする妨げとなっています。しかしながら、中国の環境は比較的安定しており、ターゲットグループの生活水準を改善するのに障害とはなりません。


我々はこれらの重要な相違点を認識する必要がある一方で、彼らが世界の他の国のBOPと共通する要素を持っていることを認識する必要もあります。彼らはまた、低所得者でかつ収入が変動しやすい人々であり、多くの商品にとっては最初の消費者です。最も重要なのは、彼らは入手のしやすさとアクセスの両面で不利な立場にあるけれども、重要な商品、サービスそして彼らや子供のよりよい生活の質を享受する機会を猛烈に追い求めています。


中国におけるBOPマーケティング


このような大規模で異質なターゲットグループを理解して、マーケティング担当者がこのグループにどのように取り組むかについて無差別にアドバイスすることは、一般化しすぎるリスクをはらんでいます。しかし、我々は、マーケティング担当者が戦略の実証として用いるとよい幾つかのポイントを挙げます。


◇機能を豊富に詰め込んだバンドル品を経済的な価格で売ること。


まず、マーケティング担当者は、BOPが、ベーシックな商品やサービス、すなわち中間所得層向けの付加価値の高い機能や装飾が付いていない商品やサービス、を提供される必要性を感じているとしばしば思いがちです。これは、中国やBOP消費者に対しては間違った戦略です。BOP消費者の高識字率や媒体の高露出度は、何が入手可能で、どんなベネフィットがあるかについて彼らが十分に慣れていくことができるようにしています。実際、中国のBOPに人気のある商品は、機能がいっぱい詰まっているけれど、中流階級の消費者が望むかもしれない美意識やある種の機能やつながりがあるものです。この例が、このセグメントに極めて人気の高い「Shanzhai」携帯電話(国産の携帯電話モデルで、iPhoneの機能をたくさんコピーし、他のハイエンドの携帯電話の何分の1のコストしかかからないもの)です。


◇マスメディアとローカルメディアのバランスを取ること。


中国のBOPは、マスメディア、特にテレビとは複雑な関係があります。テレビのリーチは非常に高く、テレビでの商品広告は、信憑性のあることを表明します。しかし、BOP消費者の生活環境は、ローカルメディアやチャネル(特に屋外のもの)を通じてリーチする多くの機会を提供します。ローカルメディアは、コストと日常の環境で消費者にリーチできるという点において、ナショナルメディアよりもしばしば優位性があるでしょう。このことを考えると、ブランドにとってローカルメディアに多く依存するだけでなく、ローカルへの広告として「CCTV(国営テレビネットワーク)で広告された」と主張できるようCCTVにたまに登場することは珍しくありません。


◇デジタルはBOPにも関係があること。


中国は、世界で最も携帯電話ユーザーが多いだけでなく、インターネットユーザーの数も最大級です。中国政府は、インターネットを農村部や離れた地域に住んでいる人々に力を与える重要な経済成長のツールだと考えています。農村部のインターネットアクセスは、飛躍的に増加し続けると予想されます。インターネットはまた、消費者により多くの商品やサービスへのアクセスを可能にするでしょう。
中国の電子商取引には、ウェブサイトやグループ購買オプションの豊富さといった、際立った特徴やユニークさがあります。これが極めて安く競争力のある商品を消費者に提供しています。これは、中国のBOPにマーケティングを行うとき、マーケティング担当者が「デジタル」を無視できないことを意味しています。- 電子商取引、ソーシャルメディア、オンライン上の口コミ全てを戦略に含める必要があります。


◇地方の小売戦略を展開すること。


大規模で組織化された取引モデルにより、中国のBOPの特定のセグメントには既にアクセス可能ですし、将来的にはますます取引が増えるでしょう。しかし、低価格帯の町とBOP消費者を次のターゲットと考えている小売チェーンは、地方の状況に基づいてカスタマイズすることが必要です。例えば、お店の開店時間は、人々のライフスタイルや労働時間に合わせる必要があります。商品選択を助ける店頭環境や各地の言葉で商品機能を説明できるトレーニングをつんだスタッフが重要な役割を担います。


◇生涯価値のブランディングを行うこと。


一般的な認識とは異なり、BOP消費者はブランドに価値を見出し、メインストリームの消費者が示す以上のブランドロイヤリティを見せます。BOP消費者は、本来あまり実験的なことをせず、リスクをとらず、軽薄なこともしないので、その商品を経験して満足していれば、自分の選択した方向やブランドに固執する傾向があります。もちろん、パワフルなブランディングがさらにその経験を高め、消費者との絆を作ります。実際、既にBOPの中に入り込んでいるブランドは、商品名をカテゴリー名として使用されるほどになっています。ブランド構築に努めるなら、実体のある商品のクオリティに重点を置くべきです。BOP消費者は、感情的アピールに影響を受けないわけでもありませんけれど。もちろん、特定のアピールは、感情的なファクターを中心にしてもよいです。大事なのは、それらのファクターがBOP消費者に共鳴できるファクターであること、つまり家族を守ることやより良い生活を夢みること、特に子供へ強い願望を抱くことなど、です。


*The Next Billions:Unleashing Business Potential in Untapped Markets。 世界経済フォーラム。2009年1月。
http://www3.weforum.org/docs/WEF_FB_UntappedMarkets_Report_2009.pdf


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2012.02.27[調査]GEMS - 新興市場からのインサイト - 2012年2月版


[セミナー]Best of - Japan 2012 - ESOMARによる日本でのイベントをご紹介。

4月11日(水)16時からEsomarによるイベント、"Best of" - Japan 2012、がGMOリサーチ東京本社にて開催されます。グローバルではTNS(Kantarのメンバー会社)が、日本ではカンター・ジャパンがイベントのスポンサーを務めております。ご興味のある方は、Esomarのホームページ(下記にリンクを記載)から参加のご登録を行っていただき、是非足をお運びください。


当日は、コカコーラ社のVanessa Oshima様、グーグル社のMasao Kakihara様などの講演が予定されています。


※Esomarホームページへのリンク(英語によるご案内)
http://www.esomar.org/events-and-awards/events/local-activities/esomar-best-of/best-of-2012-tokyo-japan/97_best-of-2012-japan-tokyo.overview.php


カンター・ジャパン 広報


[記事]なぜもっと多くの人々が自分のGoogle +の輪にブランドを入れないのでしょうか?

Nigel Hollis, Millward Brown


BrightEdgeが行った最近の調査『ClickZ』によると、Google +で勢いのあるブランドは少ないようです。


その調査でわかったのは、ブランドを自分の輪に入れる人々は増えているものの、その増加はCoca-Cola、Starbucks、eBay、Amazonのような(大手の)ブランドに占められていることです。そこに驚きはありませんが、記事では、一考に値するこの現象に関連する多くの結論が出され、次のようなことが示唆されています。


Google+の約100万人のユーザーは、まだブランドと結びつこうとはしていません。
一般的にユーザーはそのプラットフォームにそれほど触れていません。
ブランドはまだ自分のGoogle+戦略を見出していません。


その記事は、関連する質問を一つ以上投げかけます。もし、その調査でBrightEdgeがMillward BrownのTop 100 Most Valuable Global Brandsを使ったならば、それは、本当にGoogle+で人気のあるブランドを代表するでしょうか?これは正しい質問です。私が考える明らかな答えは、Top100は大きく、かつ人気のあるブランドを代表するものの、より小さく、かつ人気のあるブランドは代表しないだろうということです。それゆえ、Converse、Victoria Secret、The North Faceは、リストには挙がってこないでしょう。


今、私は、それほど定期的に自分のGoogle +アカウントを見ていないことを認めざるを得ません。なぜなら、Facebookが未だに私のソーシャルメディアライフを支配している(私の以前の記事参照)からです。数日前にGoogle +をチェックしたとき、私は何に気づいたでしょうか?ほとんどビジネスやソーシャルメディアに関連するコメントです。ピクサー映画『ブレイブ』の予告編という素晴らしい例外はありますが。(Garyありがとう。ええ、ピクサーは未だに一番です。)


どういうわけか、私はソーシャルメディアサイト上でソーシャルメディアに関連する投稿を行おうとは思いません。だから、私自身の経験に基づけば、ClickZによる結論の2つ目(一般的にユーザーはそのプラットフォームにそれほど触れていません。)が、最もありそうな話だと思います。


しかし、私は、あまり使われないことが、人々が自分の輪にブランドを入れない唯一の理由だという点には疑問です。多くのユーザーは単にブランドと繋がりたくないだけだと私は強く思います。結局のところ、多くの人々は、Facebookに彼らの反感を示すために、また新しいネットワークへの純粋な興味として、Google +にサインアップしようと決めたのだと思います。 Facebookの支配、プライバシーポリシー、およびネットワーク上でブランドの活動が高まってきたことに対する懸念が、人々の離脱を招いているのでしょう。そして、もしそうであるならば、一体何故彼らは自分の友達の輪にブランドを入れるのでしょうか?


それでも、これは些細な話を大げさに言っているだけかもしれません。素早くGoogleを検索してみてわかることは、Facebookが私のオンライン?ソーシャルにかける時間のシェアを占めているように、ソーシャルネットワークの訪問シェアをも占めていることです。 Hitwiseの調査によると、Facebookは、62.75パーセントの訪問シェアを有していますが、Google+は0.45パーセントにすぎません。私の意見は、Google+ユーザーの大半は、Facebookユーザーでもあり、わざわざアクティブベースで両方を使用しないということです。


あなたはどう思いますか?あなたの考えを共有してください。


※直接Nigel Hollisにコンタクトされる方はこちらまでお願いします。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.02.01 BrandZ - ブランドエクイティ調査 - のご紹介。