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[調査]GEMS - 新興市場からのインサイト -

昨年7月にTNSが発表した新興市場に関するレポートをご紹介します。


新興市場は、止まることなく前進しています...


昨年6月に新興市場のすばらしい業績を目にしたことは記憶に残っているでしょう。すなわち、中国人女子テニスプレーヤーの李娜(Li Na)がアジア初のグランドスラムを達成しました。次々と中国人がスポーツの世界で勝ち、テニスや陸上といったこれまで彼らが弱かった領域に今手が届こうとしています。インドはまだスポーツで優れた面を見出せていませんが、クリケットの世界では、ワールドカップの勝者として知られるようになっています。しかし、インド人がこの栄光に安住するようならそれは馬鹿けたことでしょう。なぜなら、今までクリケットの他の一面(伝統的なスポーツであるクリケットの戦いが活動的で今もなお中国人を魅了する)にしか注意を向けなかった中国人が、今クリケットの試合に興味を持ち始めているからです。


新興市場は、止まることなく前進し、世界経済が窮地に陥るのを防ぐとりでのようなものになりつつあります。そのような状況で、我々はそれらの国々をemerging marketsと分類するのが間違いであると気づきつつあります。(我々TNSは、それらの国々をrapidly growing and emerging marketsと呼びます。)中国の経済は遅かれ早かれアメリカの経済を追い越す - 既にPPP(購買力平価)ベースでは追い越しているという人も実際には存在する - と広く予測されています。現実的な問いは、中国が一人当たりGDPや国民所得の面で先進諸国を追い抜き、中国の消費者が欧米レベルの生活水準を実現するのはいつかということでしょう。驚くことにこれまで誰もこのことにコメントしていません。未だ中国が一人当たり国民所得で世界で100番目前後にランクされているとはいえ、中国の力は驚異的に強くみえます。中国とインドは、その巨大な人口の力をもって、世界で最も大きな経済勢力になる程度で満足するでしょうか?明らかに満足しないでしょう。 これらの国々の消費者は、高い志を持ち、西洋の消費者と同じライフスタイルを満喫したいと思っているはずです。


新興市場の消費者の願いは理解できますが、彼らの増加する消費はエネルギー集約型ではないですし、環境へのマイナスインパクトが先進国同様のものとはなりえないと広く認識されています。今日アメリカでは1,000人に対し約800台の車の所有があるのに比べ、中国では50台しか車の所有者がいません。地球には、中国人やインド人が先進国と同レベルで所有することを前提とした車の数を製造、吸収するキャパシティはありません。企業や政府のイノベーション力は、新興国の消費者の欲望を満たすまで徹底的に試されるでしょう。我々TNSは、マーケティング担当者が新興国の人々の願望や嗜好を理解できるようにすることで、新興市場の生活の質の向上を支援することに注力しています。


今回の『GEMS』は、我々が実行しようとしているいくつかの方法について記載しています。


新興市場からのこれらのインサイトをお楽しみください。


※以下は英語サイトになります。

英語レポートのダウンロード(PDF)


TNS


[調査]『The Chinese New Year - In Next Grow Cities』が発表されました。

WPPから中国の消費者に関するレポートが発表されました。これは、経済的中間層以下の層にフォーカスし、中国の旧正月における彼らにとってのブランドの重要性についてエスノ(観察法)を用いて調査したものです。


これらの層は、中国の次の成長の担い手と言われています。また、旧正月の期間に中国の人々に調査協力してもらえるケースはそれほど多くありません。そのような観点から、中国の消費者の実態を知る参考としてこのレポートをご活用ください。


※以下は英語サイトになります。
WPPによるプレスリリース


英語レポートのダウンロード(PDF)


WPP


[記事]Cokeのソーシャルメディアでの成功は、大きな成功の一部に過ぎません。

Nigel Hollis, Millward Brown


USA Todayの記事が、Coca-Colaのソーシャルメディアにおける成功を称賛しています。しかし、率直に言って、Cokeのソーシャルメディアにおける成功は、世界的な成功の縮図なのです。


世界中でCokeを飲んでいる人が20億人存在することを考えると、Facebookの3,600万人(原文訳。USA Today記事では3,500万人と記載)のファンは、大海の一滴にすぎません。Cokeが世界的な強豪ブランドでなければ、多くの人にFacebook上で「いいね」を押してもらったり、Twitter上でフォローしてもらったり、YouTubeのビデオを見てもらえることはありません。


誤解しないでほしいのですが、Cokeは、ファンやフォロワーを魅了するような素晴らしいソーシャルメディアの活用を行ってきています。 Facebookにおける成功の鍵は、独自のファンページを排除したり、競ってオフィシャルページを作成することよりもむしろそれを受け入れるという決定でした。また、この決定は、ファンが投稿を自分たちで管理するよう促したことから賢明だとも言えます。


世界広告主連盟(WFA)とMillward Brown社が実施したファンの価値に関する調査では、ファンページで継続的に関与する際には信頼と透明性が重要だということがわかりました。一方で、ファンにより多く戻ってきてもらうためには、変化や新しいアイデア、妥当なレベルの投稿の頻度が大切だということもわかりました 。


また、Cokeは、ソーシャルメディアが広告ではなくコミュニティであること、顧客獲得(の手段)というより顧客との結びつき(の手段)であること、売上(を得る手段である)以上に顧客ロイヤリティ(を得る手段)であることに気づいています。しかし、Cokeが世界で最も大きなブランドの一つでなかったならば、それはFacebook上で最大のブランドになりえたでしょうか?答えはノーです。他のブランドが、最初にファンを作ることなくCokeの成功をまねるよう薦めるのは全くの詐欺です。ソーシャルメディアで成功するブランドは、既に規模があり、何か違うものを表象しています。だからこそ、Oreo、Red Bull、そしてConverseのAll starは、ソーシャルメディアのランキングでトップ10に入るのです。


人々は、力を与え、熱狂させ、魅力を喚起するブランドに最もよく反応します。あまり知られていないか、面白みのないブランドが、ソーシャルメディアで好かれることはありません。解は、ブランドが何を表象しているのかをはっきりさせ、単にファンページを立ち上げて、偶然人々に来てもらおうとするのではなく、様々なメディアを介してそれをプロモーションすることにあるのです。ソーシャルメディアのパワーを活用しようとしているブランドにとって、最初に問うべきことは、ソーシャルメディアがブランドのためにできることに注意するのではなく、「私のブランドは、顧客のために何ができるか」なのです。


ブランドは、ソーシャルメディアを活用して成功できますか?答えはYesです。しかし、創造性と昔ながらのメディアを複数カバーすることなくしては、成功できません。クイーンズランド観光の例を見てみましょう。『The Best Job in the World(世界で一番の仕事)』の広告とグレートバリアリーフ島の管理人の仕事に応募者を勧誘するという策は、すばらしいものでした。その仕事のユニークさは、伝統的なメディアとソーシャルメディアの両方でその言葉を拡散したことで十分に保証され、結果として世界中から3万人以上の応募があり、無料のパブリシティが何百万ドルをも生み出しました。


広く愛されているメガブランドにとって、ソーシャルメディアで直面する実際の問題は、どうやって最初の結びつきを単純な親しみの象徴以上のものとして維持するのかということです。Coca-Colaでさえ、ファンとつながる新しいやり方を継続的に見つけなければなりません。そうでなければ、『ファンたち(fandom)』の目新しさは、すぐに廃れてしまうでしょう。


ソーシャルメディアに関する私の見解が間違っていると思いますか?間違っているならば、その理由を教えてください。ご意見をお待ちしています。


※この記事のオリジナルはこちら


※直接Nigel Hollisにコンタクトされる方はこちらまでお願いします。


[参考]引用されたUSA Todayの記事の一部。Kantar Japanによる意訳。
・Coca-Colaは、Facebookで最も人気のあるブランドの一つ。3,500万人のファンを抱え、16番目に人気のあるページとなっている。
・Cokeにとってこれらのファンは重要である。なぜなら、ファンでない人々と比べると、ファンの消費意欲は2倍、購買意欲は10倍にもなるからだ。
・Coke全体の290億ドルの広告戦略の一部に過ぎないとはいえ、ソーシャルメディアに力を入れることは、明らかに割に合う。
・例えば、Facebookの場合、2人のCokeファンがCoca-Colaのファンページを開設。それが100万人のファンを突破したとき、Cokeは(Cokeのルールに則った)オフィシャルページを作るよりもむしろ、そのコミュニティを受け入れるという判断を下した。(それが3,500万人にも及ぶコミュニティに繋がる)
・また、(40万人のフォロワーが存在する)Twitterの世界は、Cokeが消費者からのフィードバックをどのように扱うかに大きく影響を与え、Cokeのカスタマーサービスを変えた。


[調査]『The Impact of Digital on Growth Strategies - CMO Imperatives』が発表されました。

TNSは、TNS Digital Lifeの最新レポートを発表しました。これは、グローバル企業のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)にインタビューを行い、Digitalを用いて彼らがどのようなチャレンジを行い、何に優先順位を置いているのかについてまとめたものです。


※以下は英語サイトになります。
http://static.tnsdigitallife.com/files/Digital_Growth_Strategies.pdf


TNS


[調査]『Social Media in Context 第二号』が発表されました。

Kantarは、Social Mediaに関するインサイトを『Social Media in Context』と題し、三回にわたって発表します。先週、その第二号が発表されましたので、お知らせいたします。今回の執筆は、Millward BrownKantar RetailKantar Mediaが担当しています。


※以下は英語サイトになります。
http://www.kantar.com/socialmedia/


Kantar


[調査]ソーシャルネットワークにブランドが入り込むと、消費者は遠ざかってしまいます。

TNSが昨年発表した『デジタルライフグローバル調査』によると、 企業はオンラインで消費者にリーチしようとしてソーシャルネットワークに入り込みますが、その結果消費者に不快感を与え、時間とお金を無駄に費やしているということに気づいていません。


世界中の企業が早く、安価な手段で消費者と話せるようにFacebookやYouTubeなどのソーシャルネットワーク上でのプロファイルを競って作成している様子が見受けられます。 しかし、慎重にターゲットが絞られていなければ、その努力の半分は無駄に終わっていることがTNSの調査で明らかになりました。


これは、TNSの『デジタルライフグローバル調査』 - 60ヶ国72,000人以上の消費者がオンラインで何をしており、何故そのように行動するのかを広範囲に調査したもの - によって明らかにされました。


先進国の57%の消費者 - 米国で60%、英国では61%にも上る - が、ソーシャルメディアを介してブランドと関わりたくないと考えていることがわかりました。それにもかかわらず、誤ったデジタル戦略をとる企業は、友達とほとんど繋がりのないFacebookのアカウントから誰も読まないブログに至るまでごみの山を作り続けています。これは消費者によって作られるコンテンツがかつてないほど増え続けている - この調査によると、消費者の47%がオンライン上でブランドについてコメントしている - ことと切り離せません。


この結果が膨大なノイズの増加を招いており、これがデジタル世界を汚染し、ブランドの声を消費者に届けることをますます難しくしています。 これは、オンライン上で消費者と対話しようと試みている企業にとって大きな課題です。


「競争に勝ち、消費者を維持することがこれまで以上に難しくなっています。オンラインの世界は、間違いなくブランドにとって大きな機会を提示するものですが、これはこのポテンシャルを実現しうる正確で整ったマーケティング戦略を展開することによりのみ可能です。間違ったチャネル選択や単にオンライン上でノイズを加えることは、潜在的な消費者を遠ざけ、ビジネスの成長に影響を与えるリスクとなりえます。」とTNS最高開発責任者であるMatthew Froggattは言っています。


TNS


新年のご挨拶

平素よりカンター・ジャパンをご愛顧いただきまして、まことに有難く厚く御礼申し上げます。
本年も、より一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


株式会社カンター・ジャパン