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iOS新機種iPhone7/7 Plus発売後、2016年7-9月 世界のスマートフォン利用動向

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iOS(アイオーエス)販売シェア、米国は早くもプラスの影響あり
国内は、契約キャリアや利用ブランドの流動化が高まる兆し


市場調査会社の株式会社カンター・ジャパン(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大竹秀彦)は、世界の携帯電話・スマートフォンおよびタブレット機器の購買・使用動向調査(名称:「カンター・ワールドパネル・コムテック(略:コムテック調査)」)を毎月実施しており、そのデータやレポートを販売しています。


2016年7月から9月にかけて3か月間の同調査の最新スマートフォン販売データを見ると、9月のiOS(アイオーエス)新機種iPhone7、iPhone7 Plusの発売後、米国のiOS(アイオーエス)販売シェアには早くも影響があり、前年同期比5.2%増となりましたが、日本を含め、その他の国のiOS(アイオーエス)販売シェアについては大幅な増加とはなりませんでした。


国内の変化としては、MVNO(仮想通信事業者)の増加とSIMフリースマホの認知により、スマートフォン利用者の流動が高まっていることが挙げられます。ここでは、キャリア別、ブランド別の販売シェアの変化に着目し、まだわずかながらも増加傾向にある新規勢力の成長をデータとともにご紹介します。


■日本の7-9月のiPhone(アイフォーン)販売シェアは37.4%、Android(アンドロイド)は61.7%


国内でも9月16日にiOS(アイオーエス)新機種iPhone7、iPhone7 Plusが発売されましたが、前述の米国のような影響はなく、昨年と同様全体の4割弱にとどまりました。但し、Apple(アップル)は、日本でもサービスを開始した「Apple Pay」での取引が急成長していると言われています。非接触決済(いわゆるおサイフケータイ)が広く浸透している日本では、ハードウェアよりもサービスの面で、Apple(アップル)のさらなる成長はあるのかもしれません。


過去1ヵ月の間にスマートフォンを新規契約、又は機種変更した人にその機種を回答してもらい、オペレーティングシステム(OS)別の割合を算出しています。


※対象者が実際にスマートフォンを購入した時期は、ほぼ調査時期と同じです。


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■MVNO(仮想通信事業者)の増加とSIMフリースマホの認知:国内状況
国内では、通信事業者間での競争がハードになる一方、固定キャリアが強く、NTT、KDDI、Softbankの大手3社グループに集約されていました。近年、新たな動きとして、MVNO(仮想通信事業者)の増加、SIMフリースマホの認知、浸透が進み、今回の調査データにも消費者が利用するキャリアや端末ブランドの流動性の高まりが顕著に表れています。2015年5月から始まったSIMロックの解除義務化により、端末を契約事業者の回線でしか使えないようにするSIMロックが解除され、消費者はお気に入りの端末モデルの契約先を各キャリアのサービスメニューによって選択することができるようになり(端末によっては、キャリアが固定されている場合もあり)、この1年で「その他」のキャリアのシェアは前年期比+7.7%と大きく増加しているのです。


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下のグラフを見ると、調査時期2016年7-9月のMVNO契約者のうち45%もの契約者が、前年は大手3社キャリア(NTT Docomo, au, Softbank) の利用者から流れてきていることが分かります。


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MVNO(仮想通信事業者)のキャリアに乗り換える人の選択理由を見てみると、「より安い通話料金/SMS」であることが明らかです。 一方、各大手キャリアの選択理由を見ると、ネットワークとの併用割引(インターネット割引)や、家族間通話無料やかけ放題プランなど、MVNOのキャリアにはできない各社それぞれのサービスを提供し、これまでの顧客をつなぎとめている状況です。


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また、大手キャリア(NTT Docomo, au, Softbank)の高止まりした携帯料金を引き下げるための国の政策の後押しもあったことから、国内のSIMフリースマホの認知度は一気に高まりました。今や家電量販店の店頭などでも手軽に購入できるようになったSIMフリースマホは日本固有のキャリアによってSIMロックされた端末と違い、格安SIMや海外キャリアのSIMなどが利用できるため、世界で販売されている個性的かつ、コストパフォーマンスに優れた端末の中から自分に合うモデルを選択することができるのです。そこで、国内スマートフォン販売シェアを各端末ブランド別に前年と比較してみました。下図のブランドシェアからは、アンドロイド搭載の各ブランドの増減が見られますが、それよりも特徴的なのは、「その他」のブランドが販売数を6.5%も上げていることで、その内訳上位は、SIMフリースマホ市場を牽引するHuawei(ファーウェイ) 4.1%、次に Freetel(フリーテル)2.6%が続いています。


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■世界のスマートフォンOS別販売シェア 海外状況 

2016年第3四半期も、Android(アンドロイド)と iOS(アイオーエス)は、世界各国で販売シェアの接戦を繰り広げています。中国都市部では、今期、Android(アンドロイド)が85.3%という、同市場歴代2位という高いシェアを占めています。ただ、この数字はiOS(アイオーエス)新機種iPhone7、iPhone7 Plusの供給が制約されている背景を考慮すると、供給が需要に追い付くようになれば形勢転換につながるかもしれません。


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2016年第3四半期の米国市場シェアは、iOS(アイオーエス)が5.2ポイント上昇し、34.2%となりました。この上昇について、カンター・ワールドパネルのコンシューマー・インサイト・ディレクター Lauren Guenveurは一時のものであると語っています。「米国のiOS(アイオーエス)シェアの増加においては、iPhone新機種の好調な売れ行きと、9月の米国販売実績で2位となった価格落ちのiPhone6のおかげと言えるが、爆発事故で窮地に立たされたSamsung Galaxy Note7の大規模なリコールの余波も否めない。ただし、この余波も、米国人のスマートフォン選択要因が今なお『お買い得感』であることを踏まえると、これからやってくるクリスマス・ホリデーシーズンの大幅な割引によって、予想されているような悪影響は緩和されるだろう」。


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■参照:Kantar World Panel Website
 http://www.kantarworldpanel.com/global/News/-iPhone-7-and-7-Plus-Boost-iOS-Share-in-US

■調査概要

カンターは、19 ヵ国の携帯電話・スマートフォンおよびタブレット機器の購買・使用動向を把握し、その情報・分析レポートを企業に提供しています。

調査を実施しているのは、カンター・ワールドパネル社です。

・調査名称: 「カンター・ワールドパネル・コムテック調査」

・調査時期:2016 年7 月から9 月

・調査方法:主にインターネット調査(日本を含む)

・調査対象:16 歳以上の男女( イギリスは13 歳以上)

・対象者数:10,000 人/月(日本)

・調査国:日本、アメリカ、中国(都市部) 、EU5( イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)、オランダ、ポーランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、オーストラリア、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、インド


※世界各国のOS販売シェアのデータはこちらでも閲覧できます。
http://www.kantarworldpanel.com/global/smartphone-os-market-share/

※本文を引用される場合は、出典が「カンター・ジャパン」であることを明記してください。


お問い合わせ :

カンター・ジャパン/ 広報
川井 禮奈
Marketing@kantar.co.jp



2017年度ビジネス・インターン募集要項

Kantar Japanは、WPPグループのマーケティング・プロフェッショナル・カンパニーです。 
主な業務内容は、クライアントの課題を聞き、その課題解決に向けてリサーチ(市場調査)を行います。リサーチから導き出した「インサイト」を元にクライアント企業を広くサポートし、様々なブランドを支えています。
Kantar Globalのサイトはこちら


下記要項で2017年度のビジネス・インターンを募集いたします。皆様からのご応募をお待ちしております。


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募集ポジション
国内・海外大学/大学院に在籍し、以下の学生を対象としたビジネス・インターン。
実際のプロジェクトにも携わっていただきます。


(1) 2017年3月卒業予定者
(2) 2017年夏期以降、2018年中の卒業予定者


仕事内容
・コンシューマー・リサーチの企画と実施のサポート
・リサーチ結果の分析補助
・レポーティングやアクションプランの作成とプレゼンテーションサポート


応募条件

  • ・マーケティング、消費行動学、などに興味を持つ方
  • ・好奇心のある方、新しいことをやってみたい方
  • ・PCの基本操作(Excel, Power Point, Ward) が出来る方
  • ・日本語/英語でのコミュニケーションが出来る方(できれば、ビジネスレベルの英語力)

  • 期間
    2017年1月1日-2017年6月30日の期間中、連続1-2ヶ月以上


    勤務先
    新宿本社(東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー6・7階)


    給与
    時給月給制、交通費支給


    募集期間 / お問い合わせ
    募集期間については、上記の募集ポジション(1),(2)に準じて行います。


    (1) 2016年11月-12月28日まで
    (2) 2016年11月-2017年2月28日まで


    日本語および英文レジュメ(履歴書)を下記インターン事務局のメールアドレス宛にお送りください。
    追って、面談(電話面談も考慮)の日時を設定させていただきます。



    カンター・ジャパン インターン事務局
    job@kantar.co.jp