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[記事]ポスト90年代の人々は中国における環境保護の救世主になりうるでしょうか?

Jerry Clode, Associate Director Cultural Insight, Added Value UK


中国で人々を区別する一般的な方法は、生まれた世代です。 "ポスト80年代"と "ポスト90年代"は、政治的に混乱した文化大革命(1976年の毛沢東の死で終わった)後に成長した中国人の異なる価値観を定義するデフォルトの呼び名となっています。


これらの呼び方は非常に広く使われているので、ブランドは、意識的に彼らを特定のターゲット年代グループとして展開し始めています。現地のスポーツアパレルブランドの勇、Li Ningは、2010年に"no-one understands the post 90s(誰もポスト90年代を理解していない)"という挑発的なキャンペーンを行いました。ポスト80年代、ポスト90年代の人々の関係は、比較的対立しています。ポスト90年代の人々は、ポスト80年代の人々が新しい中国とかけ離れている、と主張します。一方で、ポスト80年代の人々は、ポスト90年代の人々を西洋に魂を売ったわがままな子供とはねつけます。


ポスト90年代(今10代又は20代前半)の人々は、横柄な兄、姉世代が存在する結果として、また自分たちが中国の善良な市民であることを示そうとして、ますます社会的な問題、特に環境問題に取り組むようになっています。彼らは、グローバルメディアを控え、環境意識に目覚め、国外で起こっていることに対する運動を起こします。また、前の時代の人よりもグローバル市民として見られるため、環境によくない行為に今積極的に反対しています。


ポスト90年代の人々が環境に懸念を示す例として、南西の主要産業都市である成都で起こった、女子大生による抗議行動が挙げられます。嘉陵発電所からの放出物の量に抗議するため、彼女たちは、環境問題のメディアでの注目度を高めるべくビキニとガスマスクを着用しました。その行動は、美しい女性の都市として成都の評判を高め、全国的に広まりました。この挑発的で、メディアをうまく使った抗議行動は、昨年の工場の閉鎖に重要な役割を果たしました。


香港と国境を接する非常に発達した都市、広州では、小さな高校生Deng Xiyuanが、中国南部で特に強い伝統となっているふかひれスープを食べることを止めるキャンペーンの推進者です。彼女は定期的に高校の外で抗議し、Weibo(中国版Twitter)のアカウントを立ち上げ、中国全土のフォローワーを集めてきました。それにつれて、彼女の努力は、主要なメディアの注目を集めています。大手全国紙Southern Weeklyの特別版では、彼女を「環境の戦士」として取り上げ、ポスト90年代の人々が環境に対して気配りする時代の到来を告げました。


興味深いことに、ブランドは、グローバルの環境基準で自らを定義することによって、ポスト90年代の人々の願いを理解しようとしています。オンラインキャンペーンの一環として、Converseは、旅の一部として自然を探索するモンゴルのスケートボードチームの旅を記録しました。Gapは、中国での最初のキャンペーンの一環として、緑化推進の熱心なサポーターでもある人気女優Zhou Xunに着目しました。そのキャンペーンは、Zhou Xunと国際的な環境問題の専門家Phillipe Costeau Juniorを - 中国と西洋の調和した例として - 一緒に撮影しています。
http://www.youtube.com/watch?v=xwerYYBkrDY


ポスト90年代の人々にある明らかな環境意識は、中国の環境の未来にとって本当に心強い兆候といえます。彼らがわがままだと他の世代に軽蔑されているということも、彼らが状況を良くしようと固く決意しているということにすぎないのです。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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