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[調査]GEMS - 新興市場からのインサイト - 2012年2月版

TNS


最近HSBCは「将来的には、新興を待つ市場は残らないだろう。2050年までには、我々が今新興国と呼んでいる国が、30の経済大国のうちの19ヶ国になるだろう。」というメッセージの広告を出しました。 我々TNSもこの思いを理解できますし、新興成長市場に焦点を当てた出版物(レポート)を出せる時間が限られていることを認識しています。驚くことではありませんが、新興市場が枷を外し、自分自身を主張するようになるにつれ、彼らは進歩に向かって前進し、市民のためによりよい生活を提供するだけでなく、マーケッターにより良い機会を提供するでしょう。


しかし、ここ数ヶ月は、新興市場の成長軌道に行き詰まり感があります。エコノミストは、2012年に中国の成長率は10年以上ぶりに9パーセントを下回るかもしれないと懸念を示しています。インドのGDPの増加は9%から6.9%に下落しているため、さらなる減少も予想されます。明らかに、新興市場は、ヨーロッパの債務危機と経済問題の対処に邁進するアメリカの異常なほどの無力さにより評価されている面があります。ヨーロッパがユーロの崩壊を避けるための断固たる措置を取ること、アメリカが借入れを制限し、財政赤字を減らすことを世界中がハラハラしながら待つにつれ、新興市場はイライラを感じざるをえない状況です。


しかし、新興市場を揺るがすのは、先進国の単なる揺れだけには留まりません。 - 人災や自然による災害の両方が、(それが一時的にであることを望むばかりですが)問題を引き起こしています。タイでは、未曾有の洪水に見舞われ、国中が大きな犠牲と損失を負っただけでなく、そこに重要な製造拠点を持つグローバル企業にも損失を引き起こしました。インド政府は、待ち望まれていた改革、すなわちグローバルな小売チェーンに参入の自由を与える、小売セクターの規制緩和を推進しようとして失敗しました。 - それが実現すれば、ウォルマート、テスコのような企業に大幅に機会を与えただけでなく、その国のサプライヤーや農家によりよいリターンを与え、消費者のショッピング体験を改善し、低価格化をもたらしたことでしょう。


しかし、例によってそのような問題があるにもかかわらず、ポジティブな要素は多く存在しますし、新興市場への信頼は高いです。我々は、新しい年が先進国市場に待ち望まれている健全性と安定を取り戻す年であることを願っています。 2012年はドラゴンの年であり、中国をはじめとする新興市場はより多くの成果を期待しています。中国は、ロンドンオリンピックでそのスポーツの力で再び世界を魅了したいと考えています。インドは、これまでの過去のオリンピックでのパフォーマンスは低いものの、クリケットのワールドカップ勝利の栄光をまだ浴びており、国民的英雄Sachin Tendulkarが国際的なクリケットの大会でかつてない世紀をもたらしてくれるのを国民に待たせないよう熱望しています。


今回の『GEMS』で、我々は、(これまでの『GEMS』とは違う)新興市場からのインサイトをお届けします。我々は、消費を増やしているBOP(Base of the Pyramid 低所得層)が、問題を抱える先進国の緩衝材となりうることに焦点を当てています。記事をお楽しみください。


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