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[記事]音楽に熱狂する人々に向けたマーケティング。

Richard Asquith CEO, Kantar Media TGI


TGIが音楽カテゴリーのキーインフルエンサーを特定します。


オリンピックが新聞の見出しを独占しているのは当たり前(カンター・ジャパン注、この記事はオリンピック開催中に書かれたものです)で、音楽的にもそうなのですが、この夏、イギリスには他にも大声でお知らせすべきことがあります。Radio 1が、10万人規模の無料イベントHackney Weekendを催しました。そう、フェスティバルの季節なのです。そのワールドツアーは、(これまでに)マドンナやスプリングスティーンがステージを飾り、収容人数いっぱいの客を楽しませてきました。それは、実にレディ・ガガマニアが発生する前のことです。


しかし、現代の音楽フェスティバルに参加する客は、少し前の時代の(音楽フェスティバル開催地の)KnebworthsやReadingsにいる経済的に苦しい10代や学生、若い大人とは全く違うタイプです。今日のフェスティバルの常連客は、結構な数の音楽"チャンピョン"です。影響力があり、説得力があり、お金もあります。


直近のKantar MediaのTGI調査で、次のことがわかりました。年齢15歳以上のイギリスのこのような大人が最大で230万人いると考えられます。そして、マーケティング担当者は、影響力のある音楽ファンの"ハードコア(特に熱心な人)"を味方につけることでライバルを出し抜き優位に立てるでしょう。彼らは消費者であるだけでなく、自分たちのネットワークを通して広く存在を顕示する人々です。


この音楽チャンピオンたちは、芸術的なタイプです。彼らは、平均的なイギリスの大人よりも2-3カ月ごとに劇場を訪れる率が36%高く、最低1カ月に1度アートギャラリーを訪れる率がこちらも36%高いのです。このグループにリーチしたいマーケティング担当者にとって心強いことに、彼らは(平均的なイギリスの大人に比べ)展覧会や音楽イベントのスポンサーをしている会社の製品を3倍は買っています。


彼らはまた、外食を好みます。最低1週間に1度レストランに行く率が43%高く、好きな料理のジャンルは日本食とメキシカンです。音楽が好きでたまらないので、定期的にギグやライブ音楽のイベントを楽しむだけでなく、彼らの愛情はオペラにまでも及びます。彼らは、真の音楽の万能選手だということでしょう。


このグループはまた、CDの最後の砦となっています。彼らは、いまだに目抜き通りでCDを買いたがります。48%の人が昨年実店舗でCDを買ったのに比べると、CDをオンラインで買う人は37%に過ぎません。実店舗でCDを購入する件で言えば、音楽チャンピオンは、平均的なイギリスの大人に比べ、2倍の金額(61ポンド/1ポンド125円とした場合に約7600円)を使います。


このポテンシャルの高いターゲットについてもっと知りたい方はTGIのウェブサイトをご訪問ください。


※原文に出てくるMosh Pitについて補足します。Wikipediaによると、ライブ会場などでジャンプしたり他人を強く押したりして表現されるダンスをMosh、激しくMoshしたり腕を広げて他人を押しのけたときにできた空間をMosh Pitと呼ぶ、そうです。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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