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[調査]消費者とのコミュニケーションは、ますます難化。

2012年3月26日に投稿したレポートに関する紹介文です。


TNS


TNSは、「情報の肥満状態」に対する課題に取り組むキャンペーンを発表しました。消費者は、現在オンライン、オフラインチャネルの両方で多くのノイズにさらされ、困惑しています。ブランドが消費者とコミュニケーションをとることはこれから今までにも増して難しくなるでしょう。TNS UKは、ブランドに役立てていただくためキャンペーンを行いました。このキャンペーンは人々が情報をどのように受け取るかを理解することによって、ブランドが自分たちの顧客やターゲット層に、正確にメッセージを伝えるのに役立つでしょう。

http://www.tnsglobal.com/_assets/files/TNS_IO_booklet_FINAL.pdf


デジタル空間において、コミュニケーション領域に新規で参入する場合、不明確なメディアターゲッティングを行えば、ブランドによっては、経験の少ない新参者となってしまうかもしれません。その企業戦略が侵略的だと認識されかねず、消費者の抵抗を招く結果となります。例えば、TNS実施の最新デジタルライフ調査では、イギリス人口の約61%が、ブランドに対し、ソーシャルメディアを介した結びつきを求めていないことが明らかになりました。


オフラインチャネルが少しも減らないうえ、オンラインのノイズがさらに侵入してくることをかんがみると、マーケティング担当者には、人々が情報を消費する方法を理解し、メッセージをより効果的に響かせるための指針が必要とされます。TNSは「情報の肥満状態」に対する分析を行い、消費者が従う5つのイーティングプランを特定しました。これは、人々に好まれる情報消費をタイプ分けすることにより、ブランド支持者のプロファイリングや、彼らの行動をよりよく理解することができる、新しい指針です。5つのイーティングプランは、次のとおりです。


・Fast Foodies(お手軽を好む人)は、最も簡単で、甘く、おいしいデータを消費する

・Supplementers(サプリ好き)は、利用可能なたくさんの情報によって動機づけられ、あらゆる領域、特にデジタルの領域でできる限り消費する

・Carnivores(肉食)は、 深く示唆に富んだ情報を消費したがる、事実そのままの生の情報を好む

・Fussy Eaters(選好みをする人)は、伝統的な手段であっても情報を消費することを嫌がるデジタル懐疑者

・Balanced Dieters(バランスのとれた食事をする人)は、過度に消費せず健全なバランスを維持する。これらの消費者は、様々なメディアから情報を入手する


5つのイーティングプランは、ブランドのマーケティング担当者に、特定のマーケティングコミュニケーション戦略に対する消費者の受容性を予測するのに役立つ、正確な示唆を与えてくれます。例えば、我々の調査が示すのは、Carnivores(肉食)がMarks & Spencerで買い物をすることを好み、Fussy Eaters(選好みをする人)がAsdaで買いだめする傾向があることです。それは何を示しているのでしょうか?Marks & Spencerには、消費者がゆっくりと味わえる、深く示唆に富んだ情報を提供し、コミュニケーションを増やす(金銭的) 余裕があります。一方、Asdaは、Twitterのようなメディアを活用し、バウチャー(割引券)好きにアピールするオンライン上のオプションを提供するなど、短期で次々にデータを伝えることに長けています。


あなたがどのイーティングプランに入っているかを分析する「情報の肥満状態」クイズを紹介します。クイズであなたにぴったり合うセグメントを見つけてください。


TNS Marketing Sciences Director であり、この調査のLead researcherであるRussell Bradshawは、「情報の肥満状態」のキャンペーンについてこう述べています。「情報の肥満状態は、ブランドの非常に重要な問題、すなわち情報過多時代のターゲッティング、に目を向ける具体的な方法です。一般的なイーティングプランを理解することにより、ブランドマネージャーやCMOは、リーチと共鳴、そしてマーケティングコミュニケーションのキャンペーンの価値を意のままに最大化する強力なツールを持つことになります」。


※レポートより5つのイーティングプランを抜粋


Fast foodies(お手軽を好む人)


Fast foodiesは、マルチタスクを好みます。テレビでフレンズのシーズン6を流しつつ、最新の雑誌を読みながら、インスタントメッセージでチャットをします。情報の肥満状態でいうと肥満です。友人が、自分が楽しむためや、気になる異性を次のイベントに招待するために努力している一方で、彼らは、目の前にあるぴかぴかしたパッケージなら何にでも飛びつくタイプです。彼らは、Facebookにあまりにも夢中になりすぎて時間がないのか、ニュースを見たり、深い哲学的あるいは事実にもとづいた本、バランスのとれた情報食にはあまり価値を感じません。彼らの望むすべては簡単で、美味しい一口サイズのごちそうなのです。


Supplementer(サプリ好き)


情報が社会的なステータスです。Supplementersは、野心家です。彼らは、富と情報によって動機づけされ、そのうちのできるだけ多くを消費しようとします。
モバイルインターネット、RSSフィード、ポッドキャスト等、どこにいてもどんな情報でも、望めば詰め込むことができるツールを好みます。これらの人々は、主に事実を求めます。想像力に富んでいて、しかも信頼できるソースから小さな塊で届けられることが大切です。
彼らは、知識がその背景の理解なしでは価値がないことを知りません。どちらにしろ、収集した情報そのものをすぐに忘れてしまいます。社会は、彼らを重要な層であると見ています。彼らは、外界そしてその中での自分の位置についてプレッシャーを感じます。 しかし、あまり感情を出しません。彼らの情報の肥満状態は純粋で単純です。つまり、情報が多すぎるのです。


Carnivore(肉食)


情報は、自分の情熱を深めたり、自分のエネルギーや興味でもって他人に影響を与えるための手段です。
Carnivoreは、偉大な代弁者です。深く示唆に富んだもの - できれば事実そのままの生の情報 - 以外の情報の消費を拒否する情熱的でエネルギッシュな、超マニアです。軽量な情報を軽蔑し、自分の情熱をつかむ少数の"立派な"ソースからの題材のみを選びます。自分の粘り強さを表現したがります。他のタイプが多数のソースやトピックに接触する一方で、同じ情報を追いかけすぎることがCarnivoreの問題です。誰もがスマートフォンで編集者のダイジェストを見られる今、エコノミー誌を読んでいるだけでは誰もすごいとは思いません。
彼らの肥満状態はその一本調子にあります。


Fussy Eater(選り好みする人)


情報は、本物であると同時に私のロマンチックな現実逃避のための心地よい要素でなければなりません。Fussy Eaterは、人生が現在のようにそれほど複雑でなく、けれども非常に個人を大切にしていた過去の社会を愛しているため、今どきの生活に適合したくありません。彼らは情報化時代の仙人です。
彼らは、見たり聞いたりしたいと思っている物事だけを見たり聞いたりします。実際の厳しい生活の中で、感情のない嫌なものが降りかかってこないよう避難します。自分が慣れ親しんでいるものに触れ、落ち着く時間を持ちたいと思っています。
彼らの情報の肥満状態は、新たな情報の確実なソースが彼らの自然の世界を破壊するエイリアンであるとおびえているところです。簡単に動揺し、自分の愛する世界の小さな変化に非常に敏感です。


Balanced Dieters(バランスの取れた食事をする人)


情報は管理され、欲しいものだけがバランスよく提供されるべきです。
Balanced Dietersは、Radio4を聞いたり、時折新聞を読んだり、BBCの携帯電話アプリや良い本からバランスよく情報を集めようとします。 Xファクター、デーブのファミリーフォーチューンは必要不可欠ですが、それがケイト?ミドルトンをGoogleアラートに設定することと同じぐらい自分のためにならないと思っています。実際に楽しんでいることは、デビッド?アッテンボローのドキュメンタリーや優れた時代劇です。情報の肥満状態に対する拒絶は多岐におよびます。
彼らは、無限に続く24時間ニュースを見て、テレビはもっと他にやることがないのかとイライラし、Twitterの要点をあまり理解していません。本質的に論理的で、自分の目的を達するために人材や状況を最大限に利用します。深刻なことと表面的な耽溺とのバランスをうまく取ります。 しかし、信頼できる情報ソースからは遠く逸脱したくないと思っていますし、情報のオーバーロードは、情報の信ぴょう性を確認するためのGoogleやBBCへの依存を意味します。


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