
【戦略篇 その3】MDS指標を用いたポートフォリオ戦略(第4回)
(3−2)市場競争力を持つブランドに適した戦略(前回の続き)
これまではMDSマップでの右上象限=現在市場で優位性を持っているブランドについて説明をしてきましたが、今回からは市場優位性を持つ可能性(市場競争力)はあるものの、未だそこに至っていないブランド(左上象限)が、どのようにして優位性を獲得していけばいいかについて実例を交えながら説明をしていきます。
マーケターのためのブランド戦略 連載講座
ブランドのポートフォリオは何をゴールにして、どのように管理すればいいのか?
【戦略篇】MDS指標を用いたブランドポートフォリオ戦略の考え方
<目次>
(3−2) 市場競争力を持つブランドに適した戦略(前回の続き)
● 左上象限ブランドにおける意義性と差別性の「勢い」
● 左上象限の中でも意義性に「勢い」があるブランドと「勢い」がないブランドに分かれる
● 認知やトライアル経験率の低いブランドでも、意義性に「勢い」を作り出すことはできる
● 「専門的なブランド」には、一般向けで馴染みやすい印象を持たせる
● 「マニア受けするブランド」は、非ユーザーからの偏見を改善する
● 改良すべきなのは「製品」ではなく、「パーセプション」=フレーミング
● 意義性に「勢い」がないとしても、差別性の特長を活かして意義性を強化していくことは同じ
● 国内店舗数の整理縮小で意義性を落としてしまったサブウェイ
● 店舗数の整理縮小で差別性の「勢い」を取り戻すことができたサブウェイ
● 差別性の鮮度を取り戻したサブウェイの中心価値
●文化的な壁(フレーミング)が意義性を遮るのであれば、それを逆手に取ったリフレーミングをする
● リフレーミングは思い付きだけではなく、簡便な調査(コンセプト調査等)で事前検証を必ず行う
左上象限ブランドにおける意義性と差別性の「勢い」
左上象限にあるブランドは差別性が高く、意義性は低いのですが、知名度の大きさを考えた時の期待値と較べるとどうでしょうか?ブランドの知名度があまり高くないブランドの場合、意義性の標準化指数は低くても、ブランドの知名度から期待される値よりも高い意義性が感じられていれば(=期待値とのギャップが高ければ)、これから意義性の指数を伸ばしていく「勢い」がブランドにあることがBrandZのデータベース研究から判っています(MDS分析で用いるフューチャーパワー指数は、この原理に基づいて算出されています)。
下図が左上象限の各ブランド類型の標準化指数平均と「勢い」の平均(期待値とのギャップ)を比較したものです。

尚、差別性が高い左上象限ブランドとして扱っていますが、「マニア受けするブランド」は差別性の指数が平均を下回っており、前回説明したように厳密にいうと左上象限に属するブランドではありません。それでも左上象限ブランドと同じ扱いにしているのは、ユーザーと非ユーザーの評価が二極化しているブランドであり、ユーザーの差別性評価が高く、非ユーザーの意義性が低いという点で、差別性の高さの割に意義性が低いという、左上象限ブランドと同じ傾向が見られるからです。この「マニア受けするブランド」を強化するためには、ユーザーに評価されている差別性が、非ユーザーにとっても意義があるように感じられるようにすることが鍵になるため、強化アプローチが同じ(差別性の高さを利用して意義性を強化する)左上象限ブランドと一緒に扱っています。
上の2つのグラフを比較すると、差別性については指数と期待値とのギャップの大きさ(=勢い)は相関が高く、指数が高ければそのまま差別性に関するブランドの「勢い」も強くなる関係にあります。つまり、指数と勢いの間にはあまりギャップはないということになります。これは、差別性はブランドの知名度の大きさの影響をあまり受けない=差別性が高ければ知名度が低くてもそのブランドには高い差別性があると感じられることを意味します(差別性は「山椒は小粒でもピリッと辛い」といった感じられ方をする)。そのため、差別性指数が高くなるとギャップも大きくなり、差別性に関しては知名度の小さなブランドでも「小粒の山椒のようなピリッとした」勢いを持つことが出来ます。
左上象限の中でも意義性に「勢い」があるブランドと「勢い」がないブランドに分かれる
それに対し、(上右グラフの)意義性の場合は、指数も低ければ「勢い」も弱いブランドと、指数は低いが「勢い」はあるブランドに分かれます。前回(第3回)で類型ごとに認知と過去トライアル経験率の高さを見ましたが、下記に再掲します。

グラフは意義性の指数が高いブランドタイプを左から降順に並べているので、認知やトライアル経験率が高いブランドの方が意義性も高いことが判ります。
それに対し、意義性の「勢い」(知名度からの期待値とのギャップ)の場合は、「専門的なブランド」のように認知・トライアル経験率は低かったり、「マニア受けするブランド」のように認知・トライアル経験率が高かったりします。同様に、意義性の「勢い」が弱くても、「気になるブランド」のように認知・トライアル経験率は高かったり、「顔だけはわかるブランド」のように低かったりしています。つまり、意義性の「勢い」は、意義性の指数の場合とは違って、ブランドの認知・トライアル経験率の多寡は影響しないといえます。
認知やトライアル経験率の低いブランドでも、意義性に「勢い」を作り出すことはできる
これは差別性の「勢い」の場合も同様でしたから、ブランドの「勢い」は認知やトライアル経験率の高さの影響を受けず、知名度の低い小さなブランドであっても山椒のようなピリッとした存在感を示せるということになります。ここに現在意義性が弱く、これから意義性強化が課題のブランドにとっての示唆があると思います。すぐに指数を高めよう=平均的なブランド以上の力を持とうとしても、なかなか難しいかもしれませんが、まずは「身の丈から判断して大した力はないだろう」という否定的な「期待値」を、いい意味で裏切る(思ったより良かったという)ギャップを作ることから始めればいいわけです。そうすることによって、ブランドの意義性に「勢い」が生まれてくるようになります。
この時、この「勢い」を生み出す推進力は、あくまで「意義のある差別性」であること、すなわち意義性に根拠を与えるのは、自ブランドの強みである差別性であることを忘れないようにしてください。「思ったより良かった」点が、ブランドの特長となっているXXという差別性に起因することが理解されて、「ああ、なるほど」と納得されることになります。この推進力を持たないと「勢い」は生まれません。
「専門的なブランド」には、一般向けで馴染みやすい印象を持たせる
認知・トライアル経験率が低い「専門的なブランド」は(勢いがある=専門性は高く評価されているが)一般向けではないと思われて敬遠されている点が意義性を落とす要因なので、どのように「一般向けで馴染みやすい」印象を作り出せるかが意義性強化での鍵となります。このブランドの意義性への「悪い」期待値(あるいは前回説明した用語でいえばフレーミング)は「専門向けで一般向けではない」ということですから、この期待値をいい意味で裏切ることが、意義性に「勢い」を与えることになります。つまり、これまで専門家だけが必要としていた特性(差別性)が、一般ユーザーにも便利に役立つというようなことを「リフレーミング」してみせればいいわけです。
「マニア受けするブランド」は、非ユーザーからの偏見を改善する
「専門的なブランド」の場合、非ユーザーからは自分向けではないと思われていても、その専門性(差別性)自体は高度なものとしてポジティブに評価されています。それに対し、同じように意義性に「勢い」があっても「マニア受けするブランド」はユーザーからの評価と較べて、非ユーザーからの評価が極端に低くネガティブなことが多いのが特徴となっています。
従って、「マニア受けするブランド」の場合は、非ユーザーからのネガティブを改善しない限り意義性は向上しません。現在意義性の指数は平均以上であっても、その大半はユーザー(ブランドのマニア的ファン)から稼いだもの=ファンからの評価が極端に高いからであり、マニア以外からの評価を改善しなければユーザー層は拡大しません。
とはいえ、ユーザーからの評価が高いことを考えれば、同じ製品でありながら非ユーザーからの評価にそれほどまでの差が生まれるのは合理性に欠けており、非ユーザー側に何かしらの「偏見」が生じていることを疑うべきかもしれません。
改良すべきなのは「製品」ではなく、「パーセプション」=フレーミング
市場調査会社としてこれまで多くの消費者を見てきた経験から言うと、大抵の消費者は(FMCGを大量消費する「大衆」という言葉のイメージに反して)賢く、繊細でもあり、合理的に行動します。定性インタビューであればプロービングも行いますから、偏見を表に出さないようにしていたとしてもある程度は見透かすことが出来ますが、思考パターンに「ステレオタイプ」はあっても、考え方に強い偏見を持つ人はあまり見かけません。
大抵の人は本当に「偏見」をもっているというよりも、時間と興味がないから無関心な態度を示しているだけで、「無関心」である理由を考えるのが面倒だから、あるいは特に理由がないから、「偏見」のような都合のいい考えを見つけてきて、無関心であることを「正当化」しているだけのように思います。
従って、このように「偏見」を使って無関心を自己正当化しているだけのような人の場合は、「リフレーミング」を行えば、無関心を関心に変えることが可能だと思います。つまり、改良すべきは「偏見」ではなく「無関心」であり、行うべきは製品改良ではなく、パーセプションチェンジ=リフレーミングということになります。
本当は無関心であるだけなのに、一見「偏見」と思える見解を真に受けてしまい製品改良にまで手を付けてしまうのは大変危険なことのように思います。製品は下手に「改良」してしまうとユーザーにとっては「改悪」になりかねないからです。勿論、消費者のパーセプションチェンジのために製品改良までも必要な場合もあると思いますが、まず最初にリフレーミングを試してみてそれにより消費者パーセプションが変化するか検証した方が賢明だと思います。
意義性に「勢い」がないとしても、差別性の特長を活かして意義性を強化していくことは同じ
もしも意義性に「勢い」がない場合であっても、考え方は同じです。ブランドの特長的な差別性には利用者にとってどんなにいいこと(意義性)があるのかを整理し、それをより多くの人に伝え、ブランドの「差別性」を「意義のある差別性」に変換していくことです。意義性に「勢い」がないのは残念ですが、それでも強い差別性があるだけ恵まれています。差別性も弱ければまずは差別性の強化から始めなければならないことを考えると、意義性強化の拠りどころ(コアバリュー)に差別性を使えることは断然有利と言えます。
もし意義性に「勢い」がないとしても、自ブランドの差別性が人々にどのような意義を与えることが出来るか、丁寧に説明(リフレーミング)していけば、意義性に「勢い」が生じてやがて意義性指数も高まるはずです。
国内店舗数の整理縮小で意義性を落としてしまったサブウェイ
前回のファーストフードのケースでサブウェイを例えに出しましたが、下図は2016年のスコアと2022年を比較したものです。2016年では意義性は平均的でしたが差別性はカテゴリーのトップレベルにありました。それが、22年には差別性・意義性共に大きく落としています。

これには国内店舗数の整理・縮小の影響が大きいと思いますが、こうした変化に伴って意義性・差別性の「勢い」がどう変化していったかを見てみます。
まず最初に、意義性の「勢い」を見てみます。左が2016年で右が2022年です。意義性は店舗数が多ければ利便性(立地条件)が良くなるので高くなり、店舗数が減れば下がりやすいという傾向があります。「意義のある想起性」が成立していれば、意義性強化にも貢献します。例えば、「今日は事務処理で忙しいけどお昼はどうしよう→マクドナルドなら手軽で気分転換にもなる→近くのマクドナルドで手早く済ませた→やっぱりマクドナルドはおいしい→お昼を早く済ませてその分、面倒な仕事も早く終わるように頑張ろう」といった消費ジャーニーでは、近くにあるという立地条件が意義性にプラスの影響を与えることが理解できると思います。
サブウェイの場合は、この逆で16年に平均程度あった意義性がカテゴリーのボトムレベルまで落ちてしまっています。(横軸の意義性指数)この時、縦軸の意義性の「勢い」も失ってしまっています。

勢い(=期待値とのギャップ)はマイナスにこそなっていませんが、店舗数を整理縮小して立地条件(利便性)を落としてしまうと、意義性の「勢い」が消えてしまうようです。
店舗数の整理縮小で差別性の「勢い」を取り戻すことができたサブウェイ
次に、差別性の「勢い」を比較してみます。差別性も16年から22年にかけて大きく落としているのですが、興味深いことに差別性の「勢い」はむしろ高くなっています。

16年ではサブウェイの差別性指数(横軸)はカテゴリーでも高水準にあったのですが、22年になって指数の平均程度にまで落ちています。ところが、縦軸の差別性の「勢い」を見ると、16年の差別性指数は高くても、ブランドへの期待値とのギャップで算出される「勢い」はなかったことが判ります。それが、22年では指数は落としたものの、期待値とのギャップではカテゴリーのトップレベルの「勢い」を取り戻しています。
16年当時ではモスバーガーやKFCも差別性の「勢い」を失っていました。この当時に差別性で「勢い」があったのは、マクドナルドとミスタードーナツを除いた「指数は低いが勢いはある」ブランドで、フレッシュネスバーガーやファーストキッチンのようにハンバーガーとしてはマクドナルドの後塵を拝しているが「一味違う」個性を持っているものだったり、牛丼の吉野家よりメニュー展開にバラエティと個性を持たせていたすき家やなか卯でした。もともとモスバーガーもKFCも、手作り感やボリューム感で同様に「一味違う」感を売りにしていたはずですが、この当時は鮮度感を失っていたようです。22年には差別性指数は高水準を維持したまま、「勢い」を取り戻しています。ブランドとしても勿論努力をされたと思いますが、21年以降のポストコロナパンデミックの需要の追い風が鮮度を取り戻すきっかけになったのかもしれません。
一方で、サブウェイも22年には「勢い」を取り戻すのですが、それまでKFCやミスタードーナツと並ぶ高水準にあった差別性指数を平均レベルにまで落としてしまっています。これを見ると、サブウェイの場合はモスバーガーやKFCとは違い、店舗数を整理縮小したことで結果的に、ブランドが本来持っていた独自の価値(差別性)が鮮度を取り戻し、小粒でもピリッとした辛みを取り戻した、といえそうです。
差別性の鮮度を取り戻したサブウェイの中心価値
サブウェイの中心となる独自価値(差別性)とは、揚げたり焼いたりといった油を使わず野菜サラダ中心のヘルシーなコールドサンドイッチということだと思います。食文化が欧米とは異なる日本の場合、サブウェイのこうした独自価値は、多くの日本人(特に男性)にとって食べ応え感(意義性)にうまくつながらなかったように思います。同じように冷めた状態で食べるおにぎりの場合は、温かいみそ汁と一緒に食べたり、卵焼きなどのお惣菜を加えたりして食べ応えを増したり、あるいはおにぎりなら単価が安いので食べる個数を増やして食べ応えを増やすこともできます。この時ポイントなのが、おにぎりは既に握ってあり、たくさんの種類の具材の完成品の中から好きにいくつでも選べるという点です。
この点、サブウェイは具材の組み合わせを自分の好みで指定するのが一般的な注文の仕方です。付け合わせにサラダを注文するというより、好みのサラダもサンドイッチに入れてもらいオールインワンにして食べるという感覚です。また、おにぎりと較べれば一個当りのボリュームと単価もそれなりにあるので、いくつも注文して食べる人は少ない、といった違いがあります。日本人はサンドイッチにそこまでの食文化としての経験の深さがなく、なかなか自分に合った食べ方(意義性)を見出すのが難しかったのかもしれません。
サブウェイの国内店舗数は2014年がピークで、16年時点でも400店舗程度はあったと思われますが、下図のように店舗数が500店前後あれば主な回転寿司チェーンに匹敵するだけの規模があります。2016年のサブウェイはそれだけ立地条件を整えられていても、食習慣的に人々の意義性を捉えきれていなかったように思います。

ところが22年では店舗数は200店を下回っていましたが、逆説的に、店舗数が少なくなり「希少」になったことでサブウェイの固有価値の鮮度感がもう一度甦り、差別性に勢いを取り戻すことにつながったようです。
この甦った差別性の「勢い」を梃子にして、もう一度「意義のある差別性」をチャレンジすることが可能だと思います。但し、今度は単に店舗数を増やすだけではなく、日本人の食文化を考慮したリフレーミングが必要だと思います。
文化的な壁(フレーミング)が意義性を遮るのであれば、それを逆手に取ったリフレーミングをする
サブウェイの「コールド」サンドイッチには、日本人固有の食文化感によるフレーミング効果(冷めたものを食べても味気ない)が壁となって、意義性に「ハンディキャップ」が生じているようです。そうであれば、この日本の食文化感を逆手にとって「リフレーミング」を考えるしかありません。
日本の食文化でも、ざるそば・ざるうどん・そうめんのように、冷めているものを食べる習慣はありますが、その際に茹でたてをよく冷やして食感を楽しんだり、薬味にこだわることで食べ応えを増したりという工夫をします。あるいはおにぎりの場合は、食べる直前に海苔を巻いてパリパリの食感を楽しむという食べ方をします。
コールドサンドイッチにはこうした和食の「繊細さ」がないので、「味気なく大味だ」というフレームが差別性を妨げているのであれば、「おいしいサンドイッチ冷えています」アプローチや、冷めているときに香りや辛みが強く感じる「薬味」のバリエーションを増やしたり、パリパリ・シャキシャキな食感を楽しむ等、「冷めているからおいしい」のリフレーミングを試してみる価値がありそうです。
リフレーミングは思い付きだけではなく、簡便な調査(コンセプト調査等)で事前検証を必ず行う
ここではMDSに沿った戦略的な考え方を理解していただくために、ブレインストーミング的に「例えばこんな場合こんな考え方もあるんじゃないか」という例を出しています。このサブウェイの場合もあくまでも説明用の「例えば」案であることにご注意ください。もしもリフレーミングを真剣に考えるのであれば、新メニューのコンセプトテスト等の消費者調査でクイックでもいいので「例えば」案を検証する必要があります。
この時にコンセプト評価だけでなく、商品使用性テストを行って総合的な消費体験という観点から評価を行うことは勿論大事なのですが、この場合は商品の使用性のメンタルな評価に既にバイアス(フレーミング)が生じていて、そのバイアスを除去する方法(リフレーミング)を発見することが目的なので、試食等の使用性評価は割愛してもいいと思います。調査の設計や標本サンプル数にもよりますが、例えば弊社であればKMP(カンターマーケットプレイス:Kantar Market Place)と呼ばれる簡便な調査手法で、依頼されてから最短で2週間で回答を得ることが可能です。
リフレーミング案が狙い通りの効果を出すまでには、何回も手直しが必要なことはいうまでもありません。費用と時間というコストをできるだけ軽くして、満足できる反応が得られるまで何回も検証テストを行うことが大事だと思います。この検証プロセス(ゲーティング)が必ずあるということが、逆にリフレーミングアイディア出しにおいて失敗を恐れない自由な発想を引き出してくれると思います。もし検証プロセスがなければ、失敗するわけにいかないと誰もが思い、無難な型にはまった発想しかできなくなってしまいます。また、アイディア出しの時に人のアイディアを全否定するのが好きな人をたまに見かけますが、後ろに検証プロセスを用意しておけば、自由な発想で臨むべきアイディア出し会議で、このような不毛なつぶし合いを防ぐことになります。
執筆: 合同会社カンター・ジャパン ブランドコンサルタント 堀義弘
本記事はシリーズ構成の続編です。 これまでをまだご覧になっていない方は、背景や用語をスムーズに理解するため、ぜひはじめからお読みください。
マーケターのためのブランド戦略 連載講座
ブランドのポートフォリオは何をゴールにして、どのように管理すればいいのか?
<目次>
【基礎篇】ポートフォリオの共通基盤となるMDS指標
ポートフォリオの共通基盤となるMDS指標①
ポートフォリオの共通基盤となるMDS指標②
【戦略篇】MDS指標を用いたブランドポートフォリオの戦略の考え方
[その1]MDS指標でみたブランドの現状
(1−1)マップ上のポジショニングから考える
(1−2)グラフの波形から考える
(1−3)ブランドの期待値から「勢い」を読む
[その2]MDS指標を用いたブランド強化の考え方
(2−1)意義性・差別性の「勢い」を含めて理解する
(2−2)ブランドライフサイクルでの「文脈」を理解する
[その3]MDS指標を用いたブランドポートフォリオ戦略
(3−0)ブランドのライフサイクルに即した10の戦略
(3−1)市場優位性を持つブランドに適した戦略
(3−2)市場競争力を持つブランドに適した戦略