
執筆:カンター グローバル定性調査部門 ディレクター シャリニ・ムケルジ
カンター 定性調査部門 グローバルマネージングディレクター タラ・プラバカール
生活者理解の「深さ」と「速さ」を、かつてないスケールで
いま、ブランドの意思決定には、これまで以上のスピードと深い生活者理解が求められています。しかし、従来の調査手法ではスピードと深い生活者理解を両立させることは容易ではありません。
その課題に応えるソリューションが、「Kantar Converser(カンターカンバーサー)」です。Kantarが長年培ってきた定性調査の専門性と、AIがモデレートする消費者との一対一の対話を組み合わせることで、生活者一人ひとりの率直な声を大規模に収集し、素早く読み解きます。スピードを高めながら、個別のストーリーや感情、ニュアンスを見失うことなく、意思決定につながる深いインサイトを導き出すことができます。
生活者の「なぜ」に、スピーディーに迫る
Kantar ConverserではAIモデレーターがテキストで問いかけ、対象者は主に音声で回答します。対象者の生の声や語り口を通じて、数字だけでは見えにくい感情や経験を、リアルなストーリーとして捉えることができます。
AIが、膨大な対象者の回答の中から共通パターンや特徴的な反応を素早く抽出し、そこにKantarの定性調査の専門家による分析が加わることで、「何が重要なのか」「なぜ重要なのか」「次のアクションにどうつなげるべきか」を読み解きます。
AIの処理能力とKantarの「人」のインサイトを組み合わせることで、生活者の「なぜ」を大規模に解明し、人間らしいニュアンスを保ちながら、定性調査のプロセスを大幅に短縮できます。
AIとKantarリサーチャーの知見が生み出す、深いインサイト
Kantar Converserは、単なるAI調査ツールではありません。Kantarの定性調査における専門性を、テクノロジーによって大きく拡張するソリューションです。
AIの活用が進むと、人による解釈は必要なくなると考えられがちです。しかし、Kantar Converserの発想はその逆です。AIが情報の整理や分析を加速するからこそ、Kantarの定性調査の専門家は、より本質的な意味の発見と解釈に力を注ぐことができます。
リサーチャーが持つ「人の専門性」を置き換えるのではなく、その価値をさらに高める。Kantar Converserが目指すのは、AIとリサーチャーの知見が互いの強みを引き出す、新たな定性調査のかたちです。
声だからこそ伝わる、感情のちょっとした機微・ニュアンス
初期のパイロット調査では、同じ内容でも、文字で入力するときと声で話して回答するときとでは、対象者の語り方が大きく異なることが分かりました。
音声による回答は、言葉そのものだけでなく、声のトーンや話す速さ、間(ま)、ためらい、弾むような高揚感まで表現してくれます。こうした非言語的な要素も、生活者の本音を理解するうえで重要な手がかりです。
対象者からは、「簡単に答えられる」「自然に話せる」「自分をよく見せようとしなくてよい」といった声が寄せられています。AIモデレーターは評価や批判をせず、参加者はプライベートな環境で、自分の都合のよい時間に回答できることが、より率直な語りにつながっています。
グローバルに生活者の本音を捉え、新たな市場機会を発見
Kantar Converserは、開発当初から国内調査だけではなく、グローバル調査での活用(海外でのアウトバウンド調査や複数国間調査など)を想定して設計されています。多言語への対応と、対象者リクルーティングシステムとの連携により、文化的な背景やタイムゾーンの違いを越えて、多様な生活者の声を同じガイドを用いて収集できます。
これは、単に調査対象を広げるためだけではありません。従来の調査手法では参加が難しかった人々や、対象者の本音や声を十分に拾い上げることが難しかった市場にもアプローチし、より多様な生活者の声を反映した、代表性の高いインサイトの獲得を目指すものです。
これまで捉えにくかった生活者の実際の経験や感情、ストーリーに耳を傾けることで、ブランドは世界各地の市場を、より立体的に理解できるようになります。
Kantar Converserは、ブランドの新たな市場機会の発見を支援するソリューションです。その有効性はすでに実際のプロジェクトで検証されており、イノベーションやブランド戦略、カスタマーエクスペリエンス、初期段階のアイデア評価など、幅広い領域で効果的な成果が得られています。
生活者の飾らない本音を、ブランド成長の力に
あるグローバル企業では、複雑な価値観を持つ特定の年齢層について、より深く理解することが求められていました。対象者のアイデンティティを形成する機能的・感情的な要素を捉え、その理解を空間設計や品揃えの最適化、コミュニケーション戦略に生かすことが目的でした。
Kantar Converserを活用することで、参加者は自宅などの落ち着ける環境から、自分の都合のよい時間に、リラックスして調査に参加できました。こうした環境が、参加者の率直な意見や本音を引き出し、対象層への理解を深めるとともに、クライアントの戦略策定に役立つ重要なインサイトの獲得につながりました。
対象者からは、次のような声も寄せられています。
「人と会話するよりも、AIに話すほうが気楽に感じることがあります。AIが相手のほうが、正直に、心を開いて話しやすいです」
AIだからこそ引き出せる、飾らない本音があります。その声をスピーディーかつ大規模に集め、Kantarの専門家がビジネスに生かせる知見へと変えていく。Kantar Converserは、生活者のリアルなストーリーとブランドの成長をつなぐ、新たな可能性を提供します。
信頼できるインサイトを支える、責任あるAI活用
AI活用における倫理や安全性への懸念が高まるなか、Kantar Converserは透明性を重視しています。AIおよびデータガバナンスのプロトコルを明確に整備し、プライバシーを第一に考えた設計を採用しています。
対象者の音声データは安全に処理され、分析プロセスの透明性も確保されています。さらに、調査の各ステップに、Kantarの専門リサーチャーによる判断と管理が組み込まれています。人が一貫して設計・関与することで、信頼性の高い調査と責任あるAI活用を実現します。
Kantar Converserがブランド成長をどのように支援するのか、詳しくはこちらをご覧ください。
※本記事はKantar Globalが公開した記事をもとに日本語訳・編集したものです。
原文(英語)はこちら:Real human stories at scale with Kantar Converser
【本件に関するお問い合わせ先】
- – ディレクター、ヘッドオブグロース&マーケティング 小川朋子
- – E-mail:marketingjapan@kantar.com