クロスメディア効果測定は、「パッシブ」測定*に進化する

*ユーザーのメディア接触や行動を“無意識・非申告ベース”で収集する方法


仮説ではなく、リアルな消費者行動から ーメディアの全体像をどう捉えるかー

メディアプラットフォームが多様化するいま、マーケターにとってメディア環境を正しく読み解くことは、かつてないほど難しくなっています。メディアは細分化され、予算には制約がかかり、クリエイティブとメディア施策のすべてを正確に測定することも容易ではありません。 
それでも、ブランドの成功を左右する本質は変わりません。それは、人の心を「本当に動かす瞬間」をどれだけ生み出せるか。つまり、生活者とのタッチポイントやインタラクションの質です。そのためには、消費者がどう語るかではなく、どう行動しているかを理解する必要があります。これは、強いブランド戦略を築くための重要な基盤です。 

キャンペーンのROIをどう測るか―これは今でもマーケターにとって大きな課題です。カンターメディアリアクション(Kantar Media Reactions)2024によると、世界のマーケターの55%がROIを重視して予算配分を行っており、これはメディア選定における重要要因のトップ3に入っています。さらにマーケターの90%が、短期効果だけでなくブランド指標を含む長期ROIの測定も不可欠だと考えています。これはすでに、真剣にマーケティングに取り組む組織にとっての前提条件となっています。
では、文化やマーケティングテクノロジーが変化する中で、その測定方法はどう進化すべきなのでしょうか。

閉じたエコシステム、リテールメディアネットワーク、極度に分断されたメディア環境―そんな世界で、ひときわ存在感を放っているのが「パッシブ測定」です。これは、消費者が「言った」ことではなく、「実際に何をしたか」を記録、分析する手法で、GPSによる位置情報の取得や、リアルタイムの音声マッチングによって、どの広告に接触しているかを正確に把握します。

この考え方自体は新しいものではありませんが、近年その注目度は急速に高まっています。テクノロジーが成熟し、マーケター側のニーズも拡大しているためです。2025年のカンターのデータによると、世界の500人以上のシニアマーケターのうち、パッシブ測定に関心がないと答えたのはわずか7%でした。ただし、単発のキャンペーン測定だけでは不十分なケースも多く、現在はブランド構築における長期ROIを捉えるためのベンチマーク整備が進んでいます。

日本市場における“パッシブ測定”の現実解:CTV時代の統合計測

日本でもCTV(コネクテッドTV)の前提条件は整いつつあります。テレビ端末のネット接続率は2025年に65.6%まで上昇しており、家庭の大画面でストリーミングを視聴する行動は一般化しています。

一方で、地上波TV、YouTube、TVer、Abema、そしてNetflixやAmazon Prime Videoなど、視聴・広告接触の場が増えるほど、従来の「思い出し」ベース調査だけでは横断的な比較が難しくなります。例えば、テレビの前で特定の広告に接触していたとしても、それが、地上波テレビを見ていたときか、YouTubeやTVerを見ている時だったか、もしくは、家族が見ていたものに周辺視野と音で接触しただけなのかということは、消費者に聴取しても正確に答えてもらうことは難しく、また、CTVは世帯に紐づくため、タグやIDによる判別も難しくなっています。日本においても、このような効果測定上の課題感は明確に存在しています。

こうした状況で、パッシブ測定は「統合」の役割を果たします。たとえば、TV、YouTube、TVer、Abema、NetflixやAmazon Prime Video等のCTV、さらにOOHを含め、実接触ベースで横断的に可視化するアプローチが可能になります。



*AFC:平均接触回数


日本での“CTV機会”を示すデータ:広告受容性の上位

カンターメディアリアクション2025では、日本市場の特徴として、広告付きオプションを開始したNetflixとAmazon Prime Videoが、日本におけるビデオストリーミングの広告受容性で1位、2位を占めているとされています。

これは、CTVがブランドにとって新たな投資機会になり得ることを示唆する一方で、メディアが分断されるほど“横断と同一指標で測る”重要性を押し上げます。


(※欧州でのNORMの例) 


DOOH/来店まで:日本で“行動”を測るための精度

LIFT+ powered by THXのようなパッシブ計測では、オンラインだけでなく実世界の行動(例:来店)まで扱える点が価値になります。位置情報マッチ精度98%以上/GPS精度5mの高精度で、接触と来店を結び付けて扱えるようになります。

今、パッシブ測定は実用可能な段階に到達しました。

単独の測定手法としても、ブランドトラッキングやマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)を補完するハイブリッド型としても活用できます。従来型メディアに依存しない新しいタイプのキャンペーンにも最適である一方、これまでのキャンペーン設計を刷新し、新たな洞察をもたらす力も備えています。 

メディアの世界は、もはや「人の記憶」に頼る必要はありません。 私たちは今、実際の行動をそのまま捉え、長期的なROIまで可視化できる時代にいます。 それは、メディアプランニングの未来をより透明で、理解しやすく、そして実践的なものへと変えていくでしょう。

カンターのソリューションLIFT+ powered by THXは、最新のパッシブ・マルチチャネル測定ソリューションです。24時間365日、あらゆるタッチポイントでの実際のメディア接触を捉え、キャンペーンの成果をリアルタイムで可視化。デジタル動画、コネクテッドTV、OOH、来店行動までを一つのアプリ、一つのデータソースで測定できます。 

最新のパッシブ技術でキャンペーン成果をどう測れるのか。ぜひ私たちにご相談ください。

 

 【本件に関するお問い合わせ先】

  • – ディレクター、ヘッドオブグロース&マーケティング 小川朋子
  • – E-mail:marketingjapan@kantar.com

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