
マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)は、広告やプロモーションが売上にどれだけ貢献したかを把握するための重要な手法です。しかし、多くの従来型MMMは短期的な売上押上げ効果に焦点を当てるあまり、ブランドが時間をかけて生み出す持続的な価値を十分に捉えられていません。
Kantarはこの課題に向き合い、短期と長期の両方の効果を同時に捉える、独自のMMMアプローチを開発しました。
なぜ、従来のMMMでは不十分なのか
従来のMMMには、構造的な限界があります。
- 広告出稿を止めると、売上はすぐにベースラインへ戻るという前提
- メディア効果は数週間で消えるというアドストック仮定
- ブランド効果を「間接効果」や単純な乗数で表現
- ブランド認知など短期指標に依存したモデル化
しかし現実には、強いブランドは過去の広告投資によって蓄積されたブランドエクイティによって、キャンペーン終了後も売上を支え続けます。この「見えにくいが極めて重要な領域」を捉えられていないことが、ROIの過小評価や短期偏重の予算判断につながってきました。
Kantarの長期ブランド効果MMMとは
Kantarのアプローチは、売上を「メディア投資」と「ブランドエクイティ」の双方の成果として捉えます。
- デュアル・インパクト・モデリング
- メディアは
- ● 短期的に売上を直接押し上げる
- ● 同時にブランドエクイティを育て、長期的に売上へ貢献する
この二重構造を明確に数理モデル化します。
- ブランドエクイティを“未来へ運ぶ”仕組み
- ブランドエクイティを独立した変数としてモデルに組み込み、過去 → 現在 → 未来へと連続的に引き継がれる構造を実装。広告の効果が「一過性で終わらない」ことを前提にしています。
- 真のブランドシグナルの抽出
- 調査データに機械学習を適用し、ノイズを除去。Kantar独自の Meaningful・Different・Salient(MDS) フレームワークに基づき、「感覚」ではなく「構造としてのブランド力」を可視化します。
- LIFT ROIプラットフォームへの実装
- この長期モデルは、KantarのAIプラットフォーム LIFT ROI に実装されており、短期ROIと並んで長期ROIを日常的に活用できます。
マーケターにもたらす価値
- 完全なROIの把握
- 短期と長期を統合して評価することで、従来は約5%程度と見られていた「ブランド起点の効果」が、40%超に達するケースも確認されています。
- より現実的な売上予測
- 広告停止後も売上が急落せず、ブランドエクイティによって緩やかに減衰するロングテールを反映。シナリオプランニングや供給計画の精度が向上します。
- ブランド投資を正当に説明できる
- 「今期の売上の一部は、過去四半期のブランド投資によって生まれている」──その因果関係をデータで示せるため、ブランド予算を守り、強化するための強力な根拠になります。
- 短期×長期の最適バランス設計
- 即時的な売上喚起と、将来成長を支えるブランド構築。その最適な配分を、感覚ではなくモデルに基づいて判断できます。
結論:ブランドは「感覚」ではなく「資産」
KantarのMMMアプローチは、ブランドがどのように時間をかけて売上と利益を生み出すのかを、定量的に、説得力をもって示します。
短期成果だけを削るためのモデルではなく、ブランドとビジネスを長期的に成長させるための意思決定基盤。それがKantar独自の長期ブランド効果MMMです。
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- 本ページでは概要のみをご紹介しました。数理モデルの詳細、図解による短期/長期効果の分解、実際のケーススタディ、従来型MMMとの詳細比較については以下よりダウンロードできます。
【本件に関するお問い合わせ先】
- ディレクター、ヘッドオブグロース&マーケティング 小川朋子
- E-mail:marketingjapan@kantar.com