クリエイターマーケティングで成果を上げる3つのポイント

エジェム・エルデム

グローバルクリエイティブ ソートリーダーシップ マネージャー


2026年、マーケターの61%がクリエイターへの投資拡大を検討

SNSや動画サイトなどで活躍するクリエイターに多くの企業が注目しています。Kantar Media Reactions 2025によると、世界のマーケターの61%が、2026年にクリエイターへの投資を増やすと回答しています。また、クリエイターを中心とした市場は、2030年までに3,500億ドルを超えると予測されています。

クリエイターの強みは、人々が関心を持ち、見たいと思うコンテンツを自然につくれることです。しかし、クリエイターを起用すれば、必ず成果が出るわけではありません。取り組み方によって効果には大きな差があり、投資に見合う結果を得られない企業もあります。重要なのは、人気のあるクリエイターを起用することだけではありません。ブランドの方針や伝えたいことを踏まえ、そのクリエイターにどのような役割を担ってもらうのかを、あらかじめ明確にする必要があります。

ここでは、クリエイターとの施策を成果につなげるための3つのポイントを紹介します。

1)流行を追うだけでなく、人々の関心や価値観を理解する

トレンドは短期間で移り変わります。話題に便乗するだけでは、ブランドの成長につながる戦略にはなりません。Kantarの調査では、社会の文化や人々の価値観との結びつきが強く、生活者にとって重要で、他のブランドとの違いを持つブランドは、成長率が6倍になることがわかっています。重要なのは、ブランドらしさと、人々が求めていることの両方を理解することです。そのうえで、社会や文化の中でブランドがどのような役割を果たせるのかを考える必要があります。 クリエイターは、人々が関心を持つ話題や文化に日頃から触れ、そこに集まる人たちと深くつながっています。そのため、ブランドが伝えたい内容を、身近で共感しやすい表現に置き換えることができます。その一例が、若者の政治参加を支援するイギリスの団体「My Life My Say」です。この団体は、若者がリアリティ番組やSNSで日常的に行っている「選ぶ」「投票する」という行動に着目し、若者に人気の出演者を起用することで、その行動を実際の選挙への参加へと結びつけました。社会的なメッセージを一方的に伝えるのではなく、クリエイターを通じて政治参加を若者にとって身近なものにした事例です。

2)クリエイターらしさとブランドらしさを両立する

クリエイターがつくるコンテンツは、面白いだけでは十分ではありません。見た人に「どのブランドの発信だったのか」を覚えてもらうことも大切です。Kantarの分析では、クリエイターのコンテンツとブランドが十分に結びついていた割合は、全体のわずか27%にとどまった一方、ブランドとの結びつきが強いコンテンツは、ブランドに対する評価や愛着を高める効果が60%以上高いこともわかっています。



ブランドは、施策の目的や、伝えてほしい内容をクリエイターに明確に示す必要があります。ただし、言葉づかいや表現方法まで細かく指定しすぎると、クリエイターらしさが失われてしまいます。ブランドがきちんと伝わるようにしながら、クリエイター本人の言葉や発想、いつもの表現方法を生かせる余地を残すことが重要です。

スキンケアブランドのCeraVeは、TikTokクリエイターのグランマ・ドロニアックと協業しました。コンテンツでは、彼女らしい率直な話し方やユーモアを保ちながら、商品を日常のスキンケアに自然に取り入れています。クリエイターならではの面白さと商品の存在感を両立させ、ブランドを印象に残した事例です。

3)単発の企画にせず、ブランド全体の発信とつなげる

クリエイターコンテンツを単独の施策として扱うと、キャンペーン全体とのつながりが弱まります。成果を高めるには、クリエイターによる発信を、ブランド全体の考え方や広告活動と一貫させることが必要です。

Kantarのデータでは、複数の施策を連携させることがブランドづくりの成果の45%に貢献していることが明らかになっています。2014年以前の18%と比べると、2.5倍の水準です。キャンペーンで最も伝えたいことを明確にし、クリエイターによる発信を含め、すべての場所で一貫して伝えることが重要です。

ビールブランドのDesperadosは、音楽、ダンス、ファッションなど、さまざまな分野の75人のクリエイターを起用し、それぞれの個性を生かしながら、すべてのコンテンツを共通のブランドの世界観につなげています。異なる表現を、一貫したブランド体験へ統合した事例です。

成果を左右するのは、誰を起用するかだけではない

クリエイターとの施策で成果を上げるには、次の3点が欠かせません。

  1. ● ブランドと人々の関心や価値観の自然な接点をつくる
  2. ● クリエイターらしさを保ちながら、ブランドを印象に残す
  3. ● 施策をブランドとキャンペーン全体に組み込む

この3つを一貫して進めることで、クリエイターによる発信を一時的な話題で終わらせるのではなく、継続的なブランドの成長につなげることができます。成果を高めるためには、人々の関心や価値観を正しく理解しながら、ブランドらしさを損なわずに、広告や情報発信などの活動全体と連動させることが重要です。「どのクリエイターを起用すべきか」「どうすればブランドへの効果を高められるか」という課題をお持ちの方、お問い合わせページからお気軽にご相談ください。

※本記事はKantar Globalが公開した記事をもとに日本語訳・編集したものです。
原文(英語)はこちら:The creator gold rush: is your brand winning?

【本件に関するお問い合わせ先】

– ディレクター、ヘッドオブグロース&マーケティング 小川朋子
– E-mail:marketingjapan@kantar.com

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