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[記事]ボルボ(車)とボトムアップマーケティング。

※以下は、ミルウォード・ブラウン社のブログからの引用記事です。


Nigel Hollis, Millward Brown


最近、私は、ベトナムで行われたAdAsiaのカンファレンスでJWTアジアパシフィックのCEOであるTom Doctoroff氏に会いました。彼は、プレゼンテーションの中で、トップダウンマーケティングモデルとボトムアップマーケティングモデルの対比について話しました。トップダウンマーケティングは、ブランドアイデアを広めることにフォーカスし、ボトムアップマーケティングはブランドコンテンツを作り、それを人々にクチコミ、又はシェアしてもらうようにすることです。この見方は、正に今日のマーケティングの世界の考え方です。


Tom氏は、トップダウンマーケティングを広告の伝統的なモデルだと特徴づけました。それは、素晴らしいアイデアを考え出し、世に出す(放映する)ことで、ブランドへの印象を人々の記憶に残すものです。このモデルでは、消費者は受け身のプレーヤーであり、ある特定の人がターゲットにされています。一方、新しいモデルであるボトムアップの広告では、消費者は積極的な参加者です。彼らは、ブランドコンテンツやイベントなどのニュースを広めるのに役立ってくれます。もし、そのコンテンツが広まれば、ニュースメディアはさらにコンテンツを増幅し、新しい聴衆を集めるでしょう。Tom氏によると、二つのモデルは協調して存在するということです。私は、それらのモデルには相乗効果があり、お互いにかなりの効果を生むことができるだろうと考えます。


それでは、ボトムアップマーケティングモデルは、実際どのようなものでしょうか?トム氏は、ジレットによるイベントの例を共有してくれました。それは、中国の男性にウェットシェービングをドライシェービングよりも望ましいと訴えかけ、一卵性双生児を比較するものでした。唯一彼らが違うのは、一人はウェットシェービングをし、もう一人がドライシェービングをするという点でした。女性たちに、どちらの男性が魅力的かを尋ねると、その答えは・・・あなたはおわかりでしょう。このイベントのニュースは、Weibo(中国のSNS)や他のソーシャルメディアで広まり、ニュースメディアでも取り上げられ、1億9700万人にリーチし、売上を増やしました。


新しいボトムアップマーケティングモデルを使った別の例が、ボルボトラックです。ボルボは、畏敬を生じさせるようなシリーズもののビデオを作りました。それらは、俳優のクロード・ヴァン・ダムが、移動する二つのトラックの間で足を開くもの(5000万ビュー超)、綱渡りで有名なFaith Dickeyがトンネルにたどり着く前に、二つの移動するトラックに貼られた綱の上を歩くもの(800万ビュー超)、ボルボトラックの社長がつるされたトラックに乗ってフックを持って登場するビデオ(250万ビュー超)などです。


ボルボの動画
http://www.youtube.com/user/VolvoTrucks?feature=watch


私たちの調査でも、有名人が動画のクチコミにかなりの力を発揮する可能性があるということがわかっており、それはここでも当てはまるようです。もし、私がボルボトラックの社長だったら、私の動画よりもヴァン・ダムが16倍の視聴数を得ていることに驚きはしませんが、ハムスターを使った動画の視聴が私の動画よりも多ければ、少し動転してしまうかもしれません。私たちの知見に、かわいい動物が口コミの可能性を広げるということを加えなければならないかもしれませんね。


真の問題は、広告の新しいボトムアップモデルが古いモデルとは異なったコンテンツを必要とするかどうかです。それは、クリエイティブのハードルをさらに上げるかもしれませんし、これらの短いビデオは、テレビの文脈におけるのと同様に効果を発揮するかもしれません。それについて議論したいです。あなたはどう考えますか?


※記事のオリジナルはこちらです。Nigelにご意見のある方は、直接ブログを訪問し、コメントをお寄せください。