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[記事]モバイルマーケティングはマーケティングのハードルを上げた。

Nigel Hollis, Millward Brown


メディアの世界ではテクニカルシフトが続いています。オンラインは、今ではアメリカでのトップメディアのテレビに迫る勢いです。2012年の初めから現在までに、グーグルだけがより多くの広告収入を生み出していて、それは全ての新聞を足したよりも多く、雑誌とほぼ同じくらいの規模になっています。しかし、他の変化も起こりつつあります。ここ数年のうちに、スマートフォンが、支配的な手段になるでしょう。人々は、スマートフォンでデジタルコンテンツを消費し、アプリや広告に親しむでしょう。


モバイルは、デジタル領域における、何でもできる新興の巨人です。成長率は驚異的であり、スマートフォンの普及率は、各国で最も裕福な人々を超えて広がっており、我々は、多くの人々が自分の携帯電話を経由してウェブやアプリにアクセスすることを期待できます。G20諸国では、2015年までにパソコンでウェブにアクセスする4倍ほどのアクセスをスマートフォンで行うことが予想されています。


このことを踏まえ、ミルウォードブラウンは、モバイル広告に対する消費者の態度に関する調査(AdReaction)を行い、発表しました。その調査は、定性・定量の手法を用い、18ヵ国で行われました。その調査は、マーケティング担当者が、モバイルスペースで自信を持って広告を打つために知っておくべきことを理解できるよう設計されました。


デジタルマーケティングは難しいと思っているのであれば、モバイルはもっと難しいです。AdReaction調査が示すように、世界のほとんどの人々は電話上での広告を喜んではいません。態度は、テレマーケティングよりもモバイル広告の方が好まれないし、オンラインディスプレイ広告よりも低くなっています。もちろん、この態度は国によって異なります。ケニア、ナイジェリア、インドに住む人々は、最も好意的です。そこでは、モバイルがインターネットへの主なアクセス手段であり、人々はブランドについてもっと知りたいと思っているからです。北アメリカと西洋の人々は、モバイル広告に対してほとんど好意を示しません。


モバイル広告の成功のカギは、ユーザーのニーズやマインドセットを尊重することです。人々は、モバイルからはある種のことを期待します。彼らは、モバイルに自分たちは誰なのか、自分たちのニーズは何かを知ってほしい、彼らの関心のあることを有形で交換したいなどと考えています。AdReaction調査のレポートが示すように、モバイルマーケティングは、多くの重要な役割を担いうるのですが、個人の空間を侵すように目の前を通るのであれば、人々の否定的な反応をも引き起こします。


モバイル広告をテストするにつれて、ディスプレイ広告に効くものとモバイル広告に効くものの明確な類似性がわかってきました。典型的なスマートフォンのスクリーンのサイズを所与とすれば、これは驚くことではありません。小さなスクリーンサイズが意味するのは、モバイル広告が単純で、簡単にコミュニケーションのできるものである必要があるということです。もっと重要なのは、人々がパソコンでウェブにアクセスするときよりも、第一印象が決め手になります。


オンライン同様に、人々は邪魔されることを期待していないですし、広告が彼らが本当にほしいコンテンツと自分たちの間に挿入されるならば、好意的な反応を示さないでしょう。


AdReaction調査のレポートは、モバイルマーケティングの成功法則、頭文字でRESPECT、についてまとめています。詳細については、レポート(英語)をお読みください。


私には、そのレポートが、巨大なモバイルの出現は、マーケティングのハードルをさらに高くしたと言っているように感じられます。あなたはどう思いますか?考えを共有してください。


※カンター・ジャパン注:AdReaction調査の対象国に日本は含まれていません。


※ご質問があれば、Nigelにお願いします。
http://www.millwardbrown.com/Global/Blog/AboutNigelHollis.aspx


※この記事のオリジナルはこちらです。


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