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[調査]中国に関して知っておくべき10のポイント。

BRICsに関して知っておくべき10のポイント、最終回は中国です。


1. China's urban and rural population/都市部と農村部の人口

中国の近代的な発展が至る所で見られることを考えると、7億人以上の中国人が農村部で暮らし、そこでの一人当たりの年収がほんの700ドル超に過ぎないという事実を見落としがちです。このことが意味するのは、このような市場向けの製品やサービスが、大都市のものとは異なる必要があるということです。しかし、急速な都市化が進んでいます。これからの数年間で毎年10万人が都市部に移住し、2015年までに中国の人口の半分が都市や街で暮らしているでしょう。


2. A grey population/高齢者人口

アジアの人々が欧米諸国に比べて若いことは共通の認識です。アジアの人々はより多く赤ん坊を作りますが、かつては医療水準が低いために、若くして多くの人が亡くなっていました。しかし、今この状況は変わりつつあります。中国市場はもはや若者だけではなく「シニアな」消費者も市場を牽引しています。高齢者の所得は個人ベースでは少ないかもしれませんが、合計するとかなりサイズが大きく、比較的ユニークな物理的、精神的ニーズを形成する市場となります。たとえば、彼らにとってスーパーマーケットを訪れることは、買い物のためだけでなく、レジャーの一つでもあるのです。


3. China is inventing its own product cycles rather than following the West/独自の製品サイクル

伝統的な購買モデルが中国では通用しません。インドのような他の発展途上国では、消費者は小型車から入り、購入する余裕が出てきたらより大きな車を買うようになるでしょう。中国の消費者は、いきなり大きな車を買います。これは、最近急速に富を獲得したことによるものです。メーカーは、欧米で伝統的な製品開発サイクルを中国にも適用できると考えるべきではありません。


4. Proud to be Chinese but admire others/中国人であることを誇る一方で他者を称賛

近年、世界のパワーバランスに大きな変化があり、中国がキープレーヤーになりました。中国人はこのことを非常に誇りに思っています。壮大な経済成長からオリンピックの開催まで、その成果をリスト化すれば長くなります。中国人は、中国が欧米よりも多くの機会を提供していることはしばしば感じますが、世界が中国の文化や価値観を理解しているとは感じていません。このように強く、しばしばあからさまな愛国主義があるにもかかわらず、中国人は、他国からの影響に開放的でした。自国の風水の力を再発見する一方で、彼らはまた、韓国のオペラ、日本の漫画、そしてインドヨガの練習を楽しんでいます。


5. Web 2.0/ウェブ2.0

中国では、インターネットユーザーが急激に増えており、これが続きそうだということはよく知られています。しかし、中国でのインターネットの普及が欧米モデルではなく、独自のパターンで起こっていることは、あまり知られていません。欧米の消費者は、通常電子メールや電子商取引のためにインターネットを使用します。一方、中国の消費者は、主に情報収集、ソーシャルネットワーキングや娯楽目的で使用しています。中国におけるインターネットは、表現と交流の手段です。インターネットへの依存は、多くの中国人が初めて製品やサービスを消費するという文脈においてさらに拡大します。例えば、車の購入者の70%が初めて車を購入する人であり、購入の意思決定の基礎となる情報を入手するためにインターネットを使用する傾向があります。


6. Online commerce/電子商取引

中国の貿易総額からすると、オンライントレードはまだ規模が小さいですが、その絶対額はきわめて大きいです。
予想に反し、電子商取引は大都市だけの現象ではありません。より小さな街や都市の若い消費者は、都会に比べ物理的な物流(網の整備)がかなり遅れているので、しばしばTaobaoなどのウェブサイトでアパレルやファッション製品を購入しています。


7. Going green/環境保全への取り組み

最近のレポートから、中国が今やアメリカを抜いて世界最大のエネルギー消費国となったことがわかっています。しかし、中国の消費者が環境と地球温暖化についてより関心を示すようになっていることも事実です。彼らは、真剣に自社の社会的責任を取ろうと取り組む企業が作る、環境に優しい製品やサービスに喜んでプレミアム価格を支払うようになっています。


8. Chinese people are creative and love design/創造的でデザイン命

長年共同体での均一性を求め続けられてきたので、中国の消費者は自分たちの創造性を強く表現したがります。デザインは、衣類や家電製品などの特定のカテゴリーにおいて常に重要でしたが、今ではほぼすべての製品カテゴリーで重要になっています。


9. Chinese consumers are questioning and demanding/質問と要求の多い消費者

中国の消費者は、広く現代の製品やサービスを受け入れる一方で、より自己主張が強く、過激でさえあります。理由の一つは、中国においてブランディングが制限されてきたという歴史があることです。その結果、消費者がブランドに抱く愛着はそれほど強くないことが多く、彼らは製品の性能に過失が見られると容赦しません。


10. Up trade and down trade/購買のメリハリ

一ヶ月の給与分の費用がかかる携帯電話を持つ会社員を目にすることは珍しくありません。中国の消費者は、次の二つのこと、すなわちステイタスと子供の健康を守ること、に喜んで高値を払います。一方で、自宅のプライバシー(を守ること)に関しては安い製品を使っています。


※『DISCOVER BRIC - Brazil, Russia, India & China』(2011年1月発表)から抜粋。


TNS


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