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[記事]アウディは、(車を)ほしいと思う気持ち、売上、価格の点で進歩しています。

Nigel Hollis, Millward Brown


2011年は米国アウディにとって良い年でした。BMWとメルセデスベンツが過去最高の販売台数を記録しアウディを勝ち抜いたのにも関わらず、アウディは売上高を16%伸ばしました。おそらくもっと重要なことは、アウディ車の平均取引価格が、競合に近いところまで迫ってきたことです。アウディの市場でのパフォーマンスが改善された背景には何があるのでしょうか?


Brandchannelで、アウディアメリカのCMO(チーフマーケティングオフィサー)Scott Keoghが次のように述べています。


真のラグジュアリーブランドのリーダーは、必ずしも売上のリーダーである必要はなく、そのセグメントの方向性を示すトレンドリーダーであるはずです。


彼は、アウディブランドが成功した理由の一つとして、クリーンディーゼルドライブトレインのプロモーションを引き合いに出しています。ディーゼルエンジンの導入は、明らかにアウディにとって有益なものでした。 2010年には、アウディのA3 TDIクリーンディーゼルが2010グリーンカーオブザイヤーに選ばれました。そのおかげで、その年のA3ラインの売上は、2009年比102%増加しました。


多くの人は、今後の方向性を示すリーダーというKeoghの意見に言い過ぎの感を覚えたかもしれませんが、Millward BrownのBrandZのデータは逆にそれを示唆しているのです。


2007年まで戻ると、アウディが人々に選択される主な知覚的アドバンテージは、価格面で競合に比べて優れ、人気が高まっているということでした。しかし、アウディは、魅力的で、トレンドセッターで、何か違う、という点では、競合に劣っていました。


2009年(深刻な景気後退期で、売上高はダウンしたがシェアはアップした年)に状況は変わり始めました。アウディは、人気がより高まり、カテゴリのトレンドセッターとして認知されるようになりました。


2011年までに、アウディブランドの認知は全面的に強まり、アウディが競合と異なり、競合より魅力的なものと映るようになりました。


アウディの成功についてはいくつか注目すべき点があります。最初に、アウディブランドをほしいと思う気持ちが、この2年間でかなり改善されていることです。しかし、おそらくもっと大きな要因は、アウディがこの期間に価格の認知で相対的な優位性を維持し続けようとしてきたことです。


だから価値の認知という点では、アウディが改善している一方で、BMWやレクサスは落ちています。競合他社との実際の価格のギャップが縮小しているのにも関わらずです。5年前のアウディの平均取引価格は、競合他社の車に比べて27%低かったのですが、 2011年には、そのギャップは27%から8%に縮小しました。これはより強いブランドの真の指標の一つである、売上を改善しながら、より高い価格を訴求できる力です。


このようなデータは、派生重要性を伴う課題の一つを強調します。「他のブランドと違う」というようなメジャーメントと同様に「人気が高まっている」は、あまり「重要」とはみなされません。しかし、ブランドにとって市場のリーダーもしくは最も人気の高いブランドになるためには、人気が高まっていくことが最初に見られるに違いないのです。このケースで、アウディは、まさにその流れに沿っているように見られます。


他のブランドは、アウディの成功から何を学ぶことができるでしょうか?そして、派生重要性がしばしば誤解を招くことにあなたは同意できますか?感想やご意見を投稿してください。


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