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[記事]ソーシャルの未来はモバイルだ!

Kantar Mediaが定期的に発行しているWebマガジンからの引用です。
http://www.momentumreview.com/uk/future-social-mobile


カンター・ジャパン 広報
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「今日のモバイル機器は、コンピュータ、娯楽施設、通信ネットワークの要素を効果的に結びつけ、ソーシャルネットワーキングの経験を拡大、変化させています。」とKantar Media CompeteアメリカのBusiness Development担当VPであるAdam Guyは言います。


オランダの航空会社KLMは、最近面白いアイデアを考え出しました。ウェブサイトでチケットを予約する際、お客様は、同乗者のプロフィールをFacebookやLinkedInで調べることができます。もちろん、(プロフィール公開の)許可が必要ですよ。そして、誰の隣に座るか決めることができます。これにより、(隣の人と)楽しく話ができる機会が増えます。


SNCF(フランス国鉄)も、自らのTGV予約サイトで同様のサービスを提供しています。ソーシャルは、大々的にモバイル化しています。実際、外出・移動中に現実世界での(人との)つながりを生んだり、強くしたりできる所が、ソーシャルメディアの最も魅力的な側面の一つなのです。


「ソーシャルメディアの未来は、(人との)つながりの可能性を育むことにつきると私は思います。」とAdam Guyは言います。「デスクトップPCでステータスを更新したりツイートしたりすることは、かなり孤独です。しかし、ソーシャルが外出先でモバイルに結びついたとき、ソーシャルメディアの力は増大します。消費者は、今ここで、自分の近くにいる友人を見つけることができるのです。」


2011年にKantar MediaのCompeteが実施したアメリカのスマートフォンユーザーの調査で、74%がスマートフォンでソーシャルネットワーキングを行い、42%が少なくとも一日に一度はソーシャルネットワーキングを行うことがわかりました。アメリカの携帯電話キャリアのインターネットデータの集積者であり、Kantar Media Competeのモバイルデータのパートナー会社であるGroundTruthによると、ソーシャルネットワーキングは、モバイルインターネットで最も多く行われる活動で、オンラインのセッション数の57%、総時間の58%を占めます。


Foursquareユーザーが友達に今どこで食べて、飲んで、あそんでいるかを知らせることのできるロケーションベースのサービスの成功が、モバイルとソーシャルが非常に良い組み合わせであることを強固に裏付けてくれます。


「空港でフライトを待っているそのとき、自分の近くに約40人知人がいるという可能性は十分あります。ソーシャルメディアがあれば、彼らを見つけることが可能です。同じことが展示会に当てはまります。今日ではとても大きすぎて、意図的でない限り、知っている誰かに偶然出くわすチャンスはほとんどありません。」


このインサイトは、Facebookのようなソーシャルネットワークに向けられた共通の批判、すなわち、彼らが現実世界の温かい人間関係よりもむしろ、オンラインのバーチャルな友人関係を後押ししているという批判、に応えるものです。「ソーシャルメディアはリアルな人としての経験を創造することはできないけれど、それらを手助けすることはできると言えます。」とAdamは述べています。


ソーシャルメディアは、人々を結びつける力を持っています。20年前、特定のカルト漫画本に夢中な一人の孤独なティーンエイジャーは、さびしいままで居続けたことでしょう。今日では、ブログ、Facebookその他のソーシャルメディアのおかげで、彼らは、志を同じくする何百もの人々を見つけることができます。Adamが言うように、「ソーシャルネットワークでは、集団にうまくとけ込むことを強制されるというよりもむしろ自分自身で仲間集団を作ることができるのです。」


一介の庶民がプロの写真家になってしまう写真撮影アプリIstagramのようなソーシャルメディアは、認証されることでパワーを得ています。私たちの創造力は、友達に「いいね」とリアルタイムで言ってもらうことで駆り立てられるのです。


しかし、強力なモバイルの要素もあります。私たちは外出先で携帯電話で写真を撮ります。その写真は見ても魅力的、作っても楽しい公開フォトアルバムになり、いい記録にもなります。同様に、Twitterのベストなところは主要なニュース・イベントを含め様々な状況から入ってくる実況解説のソースであることです。


これら全てに対して1つ欠点を挙げるとすれば、個人情報の管理でしょう。「わたしはここ!」とまわりに知らせるのは素晴らしいことです。しかし、ときどき見つけられたくないときもあります。「忙しいときやひとりになりたいとき、ソーシャルネットワークから離れることを忘れてはいけません。それが、わたしたちがこれから新しく学ばなければならないスキルでしょう。」とAdamは結論付けています。


詳細についてはこちらにお問い合わせください。

aguy@compete.com
www.competeinc.com
http://blog.compete.com/


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2012.05.21 [ニュースリリース]58ヶ国の携帯電話ユーザーの利用実態調査発表。


[調査]価値を上げるブランド、ユニクロ(UNIQLO)。

先日発表されたBrandZ Top 100ランキングの番外編です。


アパレルカテゴリーでは、日本の代表的なブランド「ユニクロ(UNIQLO)」がブランド価値を高めました。


2011年 $2,916M
2012年 $3,689M(前年比+26%アップ)


レポートでは次のように評価されています。


若々しいスタイルと価格の組み合わせで、ユニクロ(UNIQLO)は、Value for moneyを求める購買者を惹きつけました。この日本ブランドは、マンハッタンに五番街のフラグシップストアを含む複数の店舗を開店するなどして、海外でのプレゼンスを高めました。


ユニクロ(UNIQLO)は、昨年度のカテゴリーランキングに7位で登場し、今年度6位にランクアップしています。


5位以上のブランド(1位から順にNike、H&M、Zara、Ralph Lauren、adidas)のランキングは昨年と変わりませんが、これらすべてのブランドがブランド価値を高めています。アパレルカテゴリーに属するグローバルブランドの強さが示されたといえるでしょう。


※レポートのダウンロードはこちらです。(アパレルカテゴリーの解説は49ページから)


カンター・ジャパン 広報


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2012.05.23[調査]世界1位はAPPLE。ブランド価値ランキング発表。


[調査]世界1位はAPPLE。ブランド価値ランキング発表。

カンター・ジャパン広報からのお知らせです。


WPPとMillward Brownは、BrandZ Top 100ランキング2012年度版を発表しました!(カンター・ジャパンは、日本でMillward Brownのサービスをお客様に提供しています。)


今年度のブランド価値ランキングの目立った特徴としては、

 1. APPLEが2年連続トップ1。

 2. FACEBOOKが19位(昨年は35位)にランクアップ。

 3. 南アフリカのブランド(MTN。携帯電話)が初めてトップ100ランキング入り。(88位)

となっております。


日本のブランドは、昨年と比較して、

 1)ランクアップ/ブランド価値アップ:NTT docomo

 2)ランクアップ/ブランド価値ダウン:NISSAN

 3)ランクダウン/ブランド価値アップ:-

 4)ランクダウン/ブランド価値ダウン:TOYOTA、HONDA、SONY

という結果になっております。


ランキングの詳細については、Millward Brownのウェブサイトでご確認ください。


Top 100のランキング(英語)のダウンロード。


フルレポート(英語。104ページ)のダウンロード。


※WPPのウェブサイトでもBrandZの特集が組まれています。


関連記事

2012.02.01 BrandZ - ブランドエクイティ調査 - のご紹介。


[ニュースリリース]58ヶ国の携帯電話ユーザーの利用実態調査発表。

市場調査会社カンター・ジャパン、58ヶ国の携帯電話ユーザーの利用実態調査発表
- 日本人は世界で一番、「携帯電話で個人メールを送受信し、音楽を聴かない」 -


市場調査会社の株式会社カンター・ジャパン(本社:東京都渋谷区、代表取締役:宮島正敬)は、世界58ヶ国、16歳から60歳までの約48,000人を対象とした、携帯電話の保有・利用状況などについての調査結果を明らかにしました。これによると、日本人が最も利用する携帯電話の機能は「個人メールの送受信」で、かつその割合は世界一であることがわかりました。一方、諸外国と比較すると「音楽を聴く」割合が調査対象国中最も低く、携帯電話の多様な機能を十分に活用していない日本人像も見えてきました。


調査結果トピックスのまとめは以下の通りです。


調査結果トピックス
1.日本人が最も利用する携帯電話の機能は「個人メールの送受信」で、かつその割合は世界一。

 ・日本の携帯電話ユーザーは、週一度以上「個人メールの送受信」(79.3%)機能を利用している。
 ・日本人は、携帯電話で「会話をする」(69.5%)よりもむしろ「メールの送受信」に使う。


2.一方、「音楽を聴く」では日本は世界最下位。「ゲームをする」、「ソーシャルネットワーキング」、「写真を撮る」などの機能もあまり利用されていない。

 ・世界では週一度以上携帯電話で「音楽を聴く」が過半数(53.9%)を超え、アジア圏でも中国(69.3%)、シンガポール(62.5%)などで高い数値が出ている。一方、日本での利用は23.3%に留まる。
 ・週一度以上携帯電話で「ゲームをする」(27.1%、47位)、「ソーシャルネットワーキング」(21.7%、38位)、「写真を撮る」(38.4%、38位)など、日本人は携帯電話の多様な機能をそれほど使っていない。


3.日本人は、他の国のユーザーほどスマホ・タブレットを欲していない。

 ・スマートフォンを「6ヶ月以内に購入したい」と回答した日本人は12.6%で、58ヶ国の平均15.4%よりも低い。スマートフォンの所有割合も日本は24.2%で、58ヶ国の平均27.6%より低い。
 ・タブレットを「6ヶ月以内に購入したい」と回答した日本人は6.6%で、58ヶ国の平均10.3%よりも低い。タブレット所有割合の高い(31.1%)シンガポールでは、38%と購入に意欲的な姿勢が見られる。


株式会社カンター・ジャパン会社概要
社名: 株式会社カンター・ジャパン(http://www.kantar.jp/
本社: 東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー6F、7F
設立年月日: 2001年12月13日
代表取締役: 宮島正敬
事業内容: 市場調査、およびそれに付随するアドバイザリー業務


※ニュースリリース本文および調査結果トピックスの詳細は、以下のPDFファイル(909KB)でご確認ください。
NewsRelease_KantarJapan_20120521(PDF)


[記事]中国の消費者についての7つの質問。

Kantar Media


CNRS-TGI Chinaにより毎年実施されている『China Resident National Survey』から導かれた、中国の消費者に関する7つの質問(とその回答)に関する記事です。回答者は、Shen Ying, General Manager Media & Consumption Behavior, CTR Market Research(以下SY)とKevin Collett, Kantar Media TGI, China Manager(以下KC)です。(2011年12月)


Q1:
高級品であれ旅行であれ、この調査では、口コミが消費者にとって極めて重要な情報源として出てきます。ブランドは、中国でのソーシャルネットワークの人気を利用し、「友達」から商品について聞きたいというこの強い思いをどのように利用することができますか?


SY:中国では、友達や家族が、欧米諸国で一般的にみられるよりも影響力があります。これは、部分的に儒教的な社会規範と家族を重視する文化的な価値観によります。加えて、中国の消費者は、かつてなく増えている商業的なノイズにますます押しつぶされてきており、選択肢を拡大しているものの、時間の量は減っています。彼らは、ナビをしてくれる信頼できるガイドを必要としており、オンラインのソーシャルネットワークは、カギであり、信頼できる情報源となりつつあります。


KC:ブランドは、志向の似た個人とつながり、製品やサービスの経験や意見を共有できるプラットフォームを提供することによって中国の消費者ニーズをサポートすることができます。良い例がJohnson & JohnsonのBabyCentreです。これは、中国のユーザーにフォーラムに参加してもらい、オンラインのコミュニティで自分たちの経験、不安、サポートに関して共有することを可能にしています。彼らが自己選択するようになるにつれて、そのようなプラットフォームは、伝統的なメディアよりもターゲットが明確であり、コアとなる消費者グループを巻き込む機会を提供してくれるので、結果として徐々に高いコンバージョンや選好・ロイヤリティにつながります。


Q2:
ブランドは、他にどのような方法で中国での「口コミ」マーケティングに影響を与えようとしていますか?


SY:特に二つの方法、すなわち大きな(自然)災害が起こったときなどの寄付や企業スポンサーを通じてです。
中国の漢方ドリンクWang Loa Ji'sは、四川大地震基金に寄付することで人々の心を捉えました。そして、スポーツウエアメーカーLi Ningが北京オリンピックのオープニングセレモニーに参加し、自分たち(ブランド)を差別化し、信頼できるアイコンスポーツブランドとして位置づけました。ブランドと原因は、目的において相互補完的でなければなりません。


KC:友達や家族が製品を推薦すれば、マスメディアを通じて放映されたメッセージに効果的で強力な賛辞となります。そして広告コストが急速に上昇する中国では、ブランドオーナーとプランナーが口コミをますます影響のあるマーケティングチャネルだということに気づいてきています。CNRS-TGI Chinaの革新的な「口コミ」に関する質問は、マーケティング担当者がバイラルマーケティングを最大限活用するのに役立ちます。それは、最も影響力があり知識の豊富な消費者をターゲットにし、理解できるようにしてくれるからです。


Q3:
マイクロブログ(Weibo)の拡大は、情報へのアクセスの自由にとって何を意味するのでしょうか?


SY:人々は、もはや自分たちのために作られたコンテンツを受け身で一方向的に消費することだけに限定されません。マイクロブログは、最近の進化したWeb2.0であり、情報共有をより利用しやすく、持ち運びやすくしてくれます。この「自分メディア」の時代には、すべての人が、潜在的にワンクリックで全世界にメッセージを送ることができます。それゆえ、組織とブランドは、このますます透明化する世界で自分たちの評判やステークホルダーの信頼を維持するためオープンで正直にコミュニケーションすることに慣れなければなりません。コミュニケーションプランニングは、よりチャレンジングで複雑になってきており、リサーチ手法は、マーケティングとメディア業界に、消費者の習慣の変化を理解するツールを提供するために、進化し、変革しなければなりません。


KC:マイクロブログの革命的なことは、それが中国において共有される情報のスピードを上げたことです。より多くの人々がモバイルデバイスを使って自分たちのマイクロブログにアクセスし、投稿するにつれて、人々は、どこにいようとも自分たちのネットワークに対して意見や毎日の経験を即座に共有できるようになりました。食べ物は、中国社会の中で重要な役割を担っており、中国全土のレストランでみられる最近の現象は、人々が食事の写真を携帯電話で撮影し、自分のマイクロブログに即時に投稿する光景です!


Q4:
この調査は、男性のスキンケア製品の使用の高まりと同様に整形手術の増加についても述べています。これは、「欧米の」美に対する考え方に影響を受けているのでしょうか?


SY:中国の男性、特にプロフェッショナル(な職業の人々)は、社会や専門的領域でより成功するために容姿を良くしようと自分たちのイメージにより大きな注意を払うようになっています。彼らは、良い見栄え自体が彼らの自信を高め、キャリアの階段を上がり、より大きなサラリーを獲得できるようにしてくれると期待しています。スキンケア製品の使用にとっては、天候もまた重要な要因となっており、北の方に住む男性は、乾燥がひどいという気候条件を理由に、スキンケア製品を使っています。
中国女性が美容整形をするのは、韓国の影響がかなり大きいです。その理由の一つは、韓国のドラマやポップスターの人気からです。


Q5:
中国の消費者は、欧米のブランドに魅せられていますか?それともローカルブランドにより忠実ですか?


SY:中国人は、世界で最も実用的な消費者です。人前で使用するために購入される製品は、使う人のステータスや社会的地位を高めるのに役立つ国際ブランドになりがちです。一方、プライベートで使う製品については、ブランドよりも価格選好になります。
中国の消費者が国際的ブランドを好むもう一つの重要な要因は、赤ちゃん用品のように品質と安全性が重視される製品です。人々は、より良い製品に惹かれます。中国の消費者は、価格やチャネルよりもよりブランドに価値を置きます。この主な理由は、ブランドの冠された製品が、ブランドのない製品よりも安全で高い品質で、信頼できると信じられているからです。しかし、多くの中国ブランドの品質問題に頻繁に遭遇しているからか、人々はより欧米ブランドを信頼する傾向があります。


KC:伝統的な習慣や価値観を表す中国ブランドは、何年にもわたって成功し利益を得ています。このことから、伝統的な中国の薬を含むシャンプー、スキンケア、歯磨き粉や栄養サプリメントなどは、2008年から2010年にかけて大幅に浸透し、増加しました。


Q6:
中国は、しばしば「世界の工場」とみなされます。しかし、この調査が述べているのは、消費者がますます高級ブランドに引きつけられているということです。中国の高級品市場はどのように進化しているのでしょうか?


SY:高級品ブランドの構築は、長期的なプロセスとなります。ハイアールなどの多くの国内企業は、市場の低価格品で成功をおさめ、徐々にハイエンドの製品に移行してきました。
高級品は、長期的なビジョンと、一貫した品質と革新を必要とするセクターです。商業的かつ戦略的な短期主義傾向があるので、中国は、自国の成長する高級品ブランドを発展させるための継続的なマネジメント、マーケティング、品質管理などを現在は欠いています。徐々にマネジメントの専門性を培ってきた高級ブランドは、中国経済がメーカーからイノベーターへの食物連鎖に移行するにつれて、成長するでしょう。そしてまた、中国には、豊かな5,000年の歴史と文化的遺産があり、高級ブランドを志向するならば、海外ブランドをまねして、単なる模倣ブランドにならないようにしなければなりません。そのユニークな中国のアイデンティティに自信を持ち、利用し、高級品の経験と融合させることが、中国の高級ブランドを構築する基盤となるでしょう。


KC:中国の地位が世界の舞台において上昇し、海外の消費者が中国のものに興味を持つにつれて、中国の高級ブランドを買いたいと思わせる機会が生じています。中国ブランドが従うべき戦略は、成長のために海外を志向することです。海外で成功したという中国市場へのフィードバックになりますし、その成功が、「認められたという証拠」、「外での名声」となり、自信を植え付け、中国の高級ブランドをステータスシンボルとして誇りを持って中国で消費されるようになるでしょう。


Q7:
欧米では、熱狂的な消費の上に成り立っている経済モデルには限界があると見られます。ヨーロッパやアメリカの経済危機から、中国は何を教訓としていますか?


SY:経済が減速するときに、中国の高い貯蓄率はかなり効きます。しかし、中国と欧米は、経済発展のレベルが全く異なります。
長期的には迅速かつ持続可能な経済成長を維持するために、中国は、健全な社会福祉や医療環境を整備し、人々により消費を促す必要があります。
CNRS-TGI中国の対象者の平均貯蓄率は、現在50%です。我々は、中国人の収入が継続的に上昇し、消費に回る収入の割合が増えると期待しています。


KC:支出の習慣に関する中国人と欧米人の違いの一つは、次のことです。すなわち、欧米人は、短期的なニーズを満たすためにまだ稼いでいないお金で製品やサービスを消費します。一方、中国人は、長期的な安全やセキュリティのために貯金をするか、教育や投資に消費する傾向があります。世界的な経済危機から、欧米の人々は、ハイパー消費モデルに疑問を持っています。そして、先進国では、伝統的に中国で見られるようにますます消費にコンサバになり、貯蓄するようになってきているかもしれません。将来に対する強い前向きな展望を抱いている中国の消費者は、より自信のある消費者になる一方で、これは、輸出主導に依存する中国経済を相殺し、内需を刺激することを目指す政府の政策によって奨励されています。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.04.26 [調査]中国に関して知っておくべき10のポイント。


[記事]ボリウッド(インド)はブランドの妥当性を保証する。

Jerry Clode, ADDED VALUE


ボリウッド(インドの映画産業)は、常に満足させることを目指しています。その強い思いによって、映画は国家の精神の強力な一部となり、またブランドプロモーションの比類ない媒体となっています。


Sanjay Dutt(ハリウッドでいうブルース・ウィリス)は、 『ゴーストバスターズ』の権利を購入したいと考えており、ビル・マーレーで有名になったPeter Venkman博士として自分をキャスティングしようと計画しているという噂があります。インド版では、三人の超心理学者がゴーストを退治するこの冒険(映画)が、ほとんどのボリウッド映画の特徴ともいえるいつもの歌と踊りを組み入れたものになるでしょう。


ハリウッド映画でボリウッドスタイルになった映画には、『ET』(Kol Mil Gaya)と『フォレスト・ガンプ』(My Name is Khan)が含まれます。近年インドにおいて新たなメディアチャネルが急速に発展してきているにもかかわらず、進化するボリウッドは未だに地元の観客にとって最も野心的で魅力的なコンテンツを提供します。ボリウッドは、その優れたパフォーマンスで社会的・経済的に有望なインドの消費者をターゲットとするブランドに働きかけます。


2011年最大の映画の一つは『ボディガード』で、長く一流男優として人気をはせるSalman KhanがLovely Singhという普通の男性が危険から女の子を救うために英雄的な活躍をするものでした。彼の特徴的なダンスの動きやセリフは熱狂的なファンにまねされ、彼のポロシャツ、ブーツやサングラスは、ローカルブランドからの支持を受けた利益を生むラインを作り出しました。ペプシコのMountain Dewも、Khan映画のペルソナである生き生きとした男らしさを活用し、Mountain Dewの広告で都会に暮らすインド人男性を鼓舞し、意欲をかきたてるようにしてきました。


ボリウッド映画 『アイーシャ』は新しいブランドを生き生きさせています。


『ボディガード』が伝統的な映画のスタイルをうまく再度パッケージし(て世に送り出され)た一方で、新しい世代の豊かなインドの観衆は、ボリウッドを違う方向へと動かしてきました。2010年のロマンティックコメディ『アイーシャ』は、ブランドで飽和した映画の世界、デリーのエリートの贅沢なライフスタイルに着目しました。


有名なファッションアイコンであるトップ女優Sonam Kapoorが着用する衣服は、サルヴァトーレフェラガモとクリスチャンディオールにより共同で制作されました。国際的高級ブランドが、ボリウッドプロダクションのスターや台本とこれほど密接に結び付いたのは初めてのことでした。ロレアルパリは、香水のアイーシャ・コレクションを立ち上げ、映画のリリースに合わせてKapoorが登場するテレビ広告を放映しました。これは、ブランド製品の位置づけ方や支持の取り付け方の新しいベンチマークとなっています。


デビアスグループの一員であるフォーエバーマークもまた、アウェアネス(認知)を作るために映画を使っています。増加する国際的なインドの中流階級にアピールするため、そのダイヤモンドブランドは、最近のロマンティックコメディ『Desi Boyz』に製品を位置づけました。その映画は、ロンドンにいる二人のインド人男性が景気後退で職を失うものの、インドのアイデンティティと結びつくことによって真の愛を見つけるというものです。フォーエバーマークのウィンドウディスプレイが、ロマンティックな曲のシークエンスに含まれ、その増えているグループ(層)に人気のある現代的な形のロマンスとつながります。


国際的な冒険はまた、『Zindagi Na Milegi Dobara』の昨年の驚くべきヒットのカギとなるテーマでした。これは、三人の若いプロフェッショナルが、友人の婚約を祝うためスペインでの車の旅に乗り出すという話です。この話は、伝統的な家族への期待に合わせる現代のインド人の挑戦(する姿)に着目しました。しかし、これはまた、スペイン観光団体である、Turespanaと共同でスペインを旅先としてプロモーションするというブランドのエンターテインメントとしても使われました。


インドの中流階級の懸念を表明する映画が、ブランドにとってボリウッドの信頼性を支えています。永続的な公務員の汚職への抗議が、『No One Killed Jessica』でした。これは、英雄的なジャーナリストが歪んだ警察によって隠された殺人を公にするために闘う映画です。より気楽な感じの『Singham』は、ある小さな街の汚職を打ち負かすため、(重)力に逆らった戦闘スキルを使うまっすぐな警官を描いた映画です。この映画は、主役の一撃一撃に彼らの不満をぶつける都会の群衆を応援するように表現していました。


このようにシームレスにトレンドや社会問題を入れ込むことで、ボリウッドは、願望や欲望がかなう究極の夢工場としての地位を維持しています。常にインドの深遠な経済・社会の変化と調和させ、自分自身を再定義する(ボリウッドの)能力は、10億人の消費者の多様な国における国家的な媒体としてのボリウッドのユニークな地位を保証してくれます。


そして、ボリウッドは、未だにブランドに感情的で魅力的なストーリーを作るための卓越した方法を提供しています。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.04.23 [調査]インドに関して知っておくべき10のポイント。


[採用](再掲)海外大学院合格者ジョブフェア2012に参加します。

カンター・ジャパンは、アクシアム社主催の「海外大学院合格者ジョブフェア2012」に参加します。
ご興味のある方は、アクシアム社までお問い合わせください。既に定員に達している場合はご了承ください。


開催概要
日時:  2012年5月26日(土) 10:00 - 17:00(9:45開場)
会場:  泉ガーデンギャラリー(東京都港区六本木1-5-2)  ★MAP★
最寄駅: 東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」直結(改札より徒歩2分)
定員:  100名  ※先着順/定員になり次第締め切り
参加費: 無料
主催:  株式会社アクシアム


★ 詳細はこちら↓↓↓
http://www.axiom.co.jp/event/jf120526/index.html


カンター・ジャパン 採用担当


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2012.04.20 [採用]カンター・ジャパン新卒採用Facebookページ開設中。


[書籍]The Art of Shopping:どのように買い、なぜ買うのか?

TNSがShopper分野の本、『The Art of Shopping: How we Shop and Why we Buy』を出版しました。
以下はTNSが出したニュースリリース本文の和訳です。
日本でもAmazon.com等で入手できますので、是非ご一読ください。


カンター・ジャパン 広報


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TNS


(TNSによって)発売された新刊は、我々がどのように買い、何故そのように意思決定をし、何が我々の行動を後押ししたのかについてのヒントを与えてくれるものです。ショッパーアナリストとして知られ、TNSのグローバルコンサルティングディレクターであるSiemon Scamell-Katzによって書かれた『The Art of Shopping: How we Shop and Why we Buy』は、世界中の人々がどのように買い物しているかについて20年に渡って先駆的な調査 - 店内でのショッパー(購買者)の撮影から脳のスキャニングまで - を行ってきた成果(物)といえます。


WPPのCEOであるSir Martin Sorrellは、この本について次のように述べました。「我々のほとんどは、人々がどのように買い物するか、何故買い物するかについてわかっていると思っています。メーカーや小売業者も同様です。この興味深く、20年に渡る緻密な観察と徹底的な調査の果実ともいえる本は、我々がどれほどわかっていないかを教えてくれます。ショッパー(購買者)自身にとって興味深く、小売業に関わる皆さんにとっても大変有益(な内容)です」。


この本はまた、人々に自社製品を購入させようとしているブランドにとって何が本当にワークするのかについても調べています。簡潔で、使いうる方法で説明してくれるので、その本は、しばしば消費者と小売業者の両方から尋ねられる(次のような)多くの質問についても回答してくれています。


・なぜ人々は買うのでしょうか?
・我々は本当に購買の決定権を握っているのでしょうか?そうでなければ、誰が握っているのでしょうか?
・購買の選択肢は予測可能でしょうか?
・我々が特定のブランドを選ぶのに影響する要因は何でしょうか?
・購買体験は将来的にどのように進化するのでしょうか?


新製品のうち80%が発売されて3年以内に失敗する現状のグローバル市場において、成功するブランドを作ることは真の難題です。しかし、Scamell-Katz によると、「ショッパー(購買者)の行動を理解することによって、消費者を魅了しうる方法を特定することは可能です」。


Siemon Scamell-Katzは、店内ビデオやモバイルのアイトラッキングなど消費者行動を分析する多くの方法を先駆的に立ち上げてきました。彼は、現在TNSのリテール・ショッパー分野のグローバル・コンサルティング・ディレクターであり、ショッパー(購買者)にいつ、どのように影響を与えるかに基づいた成長戦略をクライアントとともに定義しています。


Siemonは、TNSで、ショッパー(購買者)の行動を可能な限り見出すためにfMRIの脳スキャンやバーチャルリアリティ(VR)などを用いて最先端のマーケットリサーチを行ってきました。『The Art of Shopping』の中でSiemonは、Debenhams、 Dorothy Perkins、 Next、 McDonald's、 Nestle、 Coca-Cola、 Lancome、そしてJames Bondを含む幾つかのケーススタディや事例を挙げて、これらのプロジェクトから得られた知見を共有してくれました。


『The Art of Shopping』は、www.amazon.co.jpから購入できます。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.02.08 TNSとACTISKUは、3Dオンラインバーチャルリアリティで小売環境を提供するパートナーシップ契約を締結しました。


[記事]中国の一人っ子政策2.0。

Jerry Clode, Cultural Insight, Added Value UK


中国の一人っ子政策は、一人っ子の子供は一人っ子しか生まないという、新しい一人っ子政策2.0として成長しています。


一人っ子政策は、1979年に開始され、1980年代早々には十分に浸透しましたが、ほとんどの家庭で子供を一人に制限し、中国社会に多大な影響を与えた歴史的にユニークな社会実験でした。中国の新たな機会に着目するブランドにとっては、一人っ子政策の影響をつかむことが中国での成功のカギです。


一人っ子政策の結果として、我々は今、男の子として成長した女の子、ママになりたくないママ、女性がいないデートシーンに直面する男性を目にします。放蕩息子の娘は放蕩娘になります。息子として育てられた娘たちは、(息子が享受するはずの)資源や教育にアクセスして育っており、中国社会の伝統的な家父長的規範を受け入れない女性になっています。


「一人っ子」という新しい世代が作り出すダイナミズムが、ブランドに興味深い課題と機会を提供します。


上海のような大都市では、ファッションとスタイル選択で性(ジェンダー)の規範にチャレンジする人々(女性)を見ることができます。「toy boy、中世的な」格好が、彼らに人気のある主張(の仕方)です。ブランドの観点から言えば、彼らは男性が優れていることを示すものを拒否し、周りの男性が愚かに見えるようなオフィスのヒロインであることを喜びます。


Adidas Originalは、新しいオンラインのキャンペーンで女性パンクシンガーのKang Maoと女性タトゥーアーティストを採用して「toyboyism」の精神を称えました。彼らは両方とも力強く攻撃的な女性のステレオタイプです。


一人っ子世代の子供たちのもう一つの注目すべき影響は、「ブティックママ」の登場です。子供のときに甘やかされることに慣れているため、中国の若い女性は母親に必要とされる無私無欲になることに四苦八苦しています。


助けとなるのは、孫を溺愛する四人の祖父母です。彼らはフルタイムの「偉大な両親」として喜んで子育てに参加します。このシナリオに満足して、若い母親は、美や高級品への消費を維持、高めつつ、もう一人子供を持つことが難しいことをわかったうえで仕事を続けます。それらは、子供を一人生んだことで家族に家系維持(の喜びや安心)を与えた報酬なのです。


結果として、母親の養育の役割についての感情的なキャンペーンは、中国では「なし」です。子供たちにとっての大人の現代的なロールモデルとしての母親に焦点を当てたコミュニケーションは、「あり」です。


また、一人っ子政策は、男女の数の不均衡を作りました。伝統的に息子がほしいという欲求のために男の子が多く、女の子が少ないのです。これは、結婚市場に直接影響を与えました。つまり、若い女性の方が、よりえり好みをし、夫に対する要求が強いということを意味しています。


結果として、中国の男らしさが打撃を受ける、すなわち、男性はどのように自分たちを表現すればいいのか不安になっています。その結果が、この3-5年で生じた巨大な男性育成カテゴリーの発展です。Metro-sexualism(注。Wikipediaを参考にすると、メトロセクシャルとは、外見や生活様式への強い美意識を持ち、そこに多大なる時間と金とを注ぎこむ男性)は、中国において一時的なトレンド以上のものがあります。それは女性不足に起因する若い男性の生き残り方法となっています。


一人っ子であることは一般的に見られますが、一人っ子として育った世代が成長したとき、これは社会に大きな影響を与えます。中国に野心を抱くブランドは、このダイナミズムを取り組むことを意識しなければなりません。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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2012.04.26 [調査]中国に関して知っておくべき10のポイント。


[記事]Pinterest(ピンタレスト)は他と何が違うのでしょうか?

Nigel Hollis, Millward Brown


Pinterest(ピンタレスト)というソーシャルネットワークのことを聞いたことがあるかもしれません。これは、バーチャルなピン(張り付け)ボードに、ウェブや他の人のピンボード上の画像を張り付けることができるものです。Pinterest(ピンタレスト)は自らを以下のように表現しています。


あなたがウェブ上で見つけるすべての美しいものを整理し、共有することができます。


確かに、人々は取り残されないようにネットワークのリストに次々と参加しています。しかし、この最新のプラットフォームには、他のネットワークができていない人間のモチベーションを刺激する以上のものがあり、これが他のサービスと異なるところであると、私は考えざるをえません。


すべて自分のこと


Pinterest(ピンタレスト)は、デザイン、機能性、ユーザーエクスペリエンス、どれをとってもシンプルです。しかし、このネットワークが他より優れている重要な点は、それがすべてユーザー自身についてのものだということです。ここに参加するために友人を持つ必要はありません。すべてのボードが他者に開放されていて、ユーザーはネットワーク上のあらゆる場所に張り付けられたどの画像をも見ることができます。もちろん、知っている人や自分が興味のあるトピックに関連したボードを作っている人をフォローして繋がりを作ることができます。


一部の人たちにとっては、Pinterest(ピンタレスト)は、やみくもなステータスの更新やたわごとが投稿されたニュースフィードから解放してくれるものです。このケースでは、写真が本当に多くを語り、コメントを通じて残る感情的な反応を呼び起こします。


収集家たち


ものを集めることは、人間の基本的なモチベーションであり、Pinterest(ピンタレスト)は、ユーザーがすぐ、簡単かつきれいに自分のコレクションを見せられるようにすることで、この(集めたいという)本能を最大限に引き出しています。ピン(したもの)は、見て美しいように自動的に配置されます。ピンすることは、刺激的でもあります。一つのボードでもいいですし、次のボードを作ってもいいのです。作ったものは、ユーザーが自分の名作に満足するまで四六時中調整することができます。そして、似たような興味を持つ他のユーザーに気づいてもらい、認めてもらうことができます。


ブランドの親友


Pinterest(ピンタレスト)は、芸術、デザイン、建築、工芸品、食品、旅行、そしてファッションカテゴリーでのアーリーアダプターに受け入れられてきました。ユーザーは、自分がそう認識されたいと思うように表現してくれるボード、もしくはそのブランドや画像を関連付けることによって得られるステータスを表現してくれるボードを作ることができます。これは、彼らが好きなある種のファッションとなりえますし、家の装飾ボード上に張り付ける画像にもなりえます。ブランドのファンページに「いいね」をするよりもさらに一歩進んでいます。


さあPinterest(ピンタレスト)についてどう思いますか?そのシンプルさは他のソーシャルネットワークに比べて有利に働くでしょうか?もしくは、これもただ単に多く存在するネットワークの一つに過ぎないでしょうか?


※直接Nigel Hollisにコンタクトされる方はこちらまでお願いします。


※この記事のオリジナルはこちらです。


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